概要
古くからアジア大陸との交流拠点として発展してきた福岡市は、日本屈指の交通の要所(福岡空港、博多港、博多駅)を有し、公共交通指向型開発に関する多くの事例や知見を積み重ねてきました。市内に多くの大学があることから、20〜30代の人口比率は日本の平均を大きく上回り、活気のある九州の政治・経済・文化・ファッションの中心地として知られています。また、誰もが健康で暮らしやすい都市を実現するために100個のアクションプランを掲げた「福岡100」などの新しい取り組みも展開しています。
今日、福岡市は日本で急成長を遂げているスタートアップ拠点の一つとして知られ、市内での起業をワンストップでサポートする「スタートアップカフェ」などの様々な起業支援を提供しています。さらに、最先端の技術や革新的な発想を導入した持続的な街づくり事業「FUKUOKA Smart EAST」を箱崎地区にある大学跡地(約50ha)にて展開させ、スマートシティのモデルづくりに取り組んでいます。
2018年にTDLCと都市連携プログラム(CPP)のパートナー都市として締結して以来、主に公共交通指向型開発や公共空間、高齢化における都市管理などをテーマとしたTDD研修やイベントなどを協働で開催しています。福岡市の競争力のある都市づくりの実績や都市交通開発のノウハウ、アジアとの交流拠点として培った経験、若者を呼び込む施策などは、世界銀行と連携する途上国の都市開発関係者から注目を集めています。
主要な連携テーマ
- 公共交通指向型開発
- イノベーションとスタートアップ・エコシステム
- 競争力のある都市とスマートシティ
福岡市からのコメント
福岡市は、2018年6月に「持続可能で住み良いまちづくり」と「競争力を有する都市」をテーマとしたCPPの覚書を世界銀行と締結しました。以降、高齢化や廃棄物管理をはじめとした都市課題、あるいは公共交通指向型開発やスマートシティといったまちづくりについて世界銀行と連携した取り組みを行っています。市民の生活を支える地方自治体として我々がこれまで蓄積してきた知見が、世界銀行が持つグローバルなネットワークによって途上国等が直面する都市 課題の解決に貢献できるよう、今後とも世界銀行と協力していきます。
福岡市国際部長 久保田 和広
主な連携実績
- 2023年1月
質の高い都市インフラ投資のに関するTDD研修にて、市職員が雨水整備レインボープラン博多などの治水対策について紹介した。 - 2023年1月
福岡市と連携しインド・アーメダバード市へ下水道管理に係る技術協力を実施 - 2022年5月
包摂的な都市と雇用に関するTDD研修にて、市職員が福岡市における高齢者・障がい者の就労支援について紹介した。 - 2022年5月
福岡市副市長が「高齢化に備えた包摂的なまちづくり:Age-Ready Citiesとは?」刊行記念イベントのパネルディスカッションにて、高齢化に備えた包摂的なまちづくりを進めていく上での課題や取り組みについて議論した。 - 2022年2月
世界銀行「低炭素・気候変動対応型都市に向けた世界銀行知識共有シリーズ」#4:気候変動に対応したスマートなまちづくり(第13回アジア太平洋都市サミットサイドイベント)に福岡市職員が登壇し、気候変動対応政策に関連して、市の都市緑地の実践と政策的取り組みについて説明した。 - 2021年10月
都市開発実務者向け対話型研修(TDD): 災害リスク管理と強靭なインフラに市職員が登壇し、福岡市の強靭化計画およびインフラ寸断発生時の市の対応について紹介した。 - 2021年4月
すべての人のための健康都市に関するTDD研修にて、市職員が同市の「福岡100」プロジェクトを紹介しながら、高齢化社会に対応した都市計画の取組みについて発表した。 - 2021年3月
公共交通指向型開発(TOD)と都市部の近隣地域・土地の活性化に関するTDD研修にて、市職員が同市のTODの取組や天神駅周辺の開発事業について、動画を含め発表した。 - 2021年3月
福岡市の効率的な水管理の取組みが、質の高いインフラ投資(QII)に関する日本の事例としてTDLCオンラインイベントで紹介された。 - 2020年12月
福岡メソッドに関するケーススタディが、エチオピアの6都市に対して実施されたバーチャル研修にて紹介された。 - 2020年11月
「スマートシティライブ2020」におけるTDLC主催のサイドイベントにて、市の代表者がアフターコロナの都市づくりに関する市の見解や取り組みについて紹介した。 - 2020年10月
TDLCと協力し廃棄物管理に関するTDD研修を初めてオンラインで実施。市職員ならびに委託事業者が福岡の夜間回収および福岡方式について発表した。 - 2019年11月
TDLCの廃棄物管理に関するTDD研修において、市職員が福岡の夜間回収及び福岡方式について発表した。 - 2019年10月
TDLCと横浜市が共催した「第8回アジア・スマートシティ会議」の世界銀行セッションにおいて、市職員が福岡市のスマートシティの取り組みついて発表した。 - 2019年6月
G20福岡サイドイベント「高齢化社会とまちづくりシンポジウム」をTDLC、国連ハビタットと共催。副市長および市職員がパネリストとして登壇した。 - 2019年1月
TDLCの公共交通指向型開発とエリア特化型の公共空間整備に関するTDD研修にて、市職員が登壇した。 - 2018年11月
TDLCの技術協力の一環として実施されたチリ社会開発省主催の高齢化に関する国際会議に市職員を派遣した。 - 2018年8月
福岡市と国連ハビタット福岡本部が主催する第12回アジア太平洋都市サミットにおいて、TDLCの職員が、加速する都市化をテーマにした分科会のモデレーターとして参加した。 - 2018年5月
TDLCの高齢化に関するTDD研修にて、市職員が高齢化社会に対する市の取り組みを紹介した。
*2022年6月現在
主な出版物