概要
横浜市は、かつて高度経済成長期に人口が急増し、今日の新興国諸都市が抱えているのと同様の様々な都市問題に直面しました。横浜市では、これらに対して、現在の横浜市を形作った総合都市計画の「六大事業」に象徴される施策のもと、一貫性のある計画の長期的な実施、市民や企業の参加を促すための仕組みやインセンティブの導入などにより、開発プロジェクトを実施してきました。その結果、横浜は環境に優しく、経済基盤のしっかりとした、住みやすい都市へと変容を遂げました。
2016年のTDLCの都市連携プログラム(CPP)開始以来、横浜市は、都市デザイン、市民参加による廃棄物削減、治水と汚水処理の統合、強靭性のある都市づくりなど、同市が培ってきたまちづくりの事例やノウハウを、都市開発実務者向け対話型研修(TDD研修)を通じて、世界銀行が融資する事業に取り組む途上国の都市に共有しています。また、TDLCは、同市の代表的な国際会議「アジア・スマートシティ会議」を共同運営する他、TDLCの技術協力事業を通じて、横浜市の職員や専門家を現地に派遣するなど、TDD研修以外でも積極的な連携を展開しています。
主要な連携テーマ
- ウォーターフロントを 中心とした都市再生
- 都市の強靭性と治水対策
- 競争力のある都市と スマートシティ
横浜市からのコメント
横浜市はCPPの第一期選定都市として参加し、TDLCと連携して知見の共有を行ってきました。また、TDLCにとりまとめていただいた「競争力のある都市の事例研究」や「横浜ソースブック」により、改めて横浜の都市としての強みを再認識することができました。アジア・スマートシティ会議もTDLCと連携して開催することで、海外の都市開発に関する情報・人が集まるマーケットプレイスとしての機能が充実しています。2021年にはTDLCをモデルにしたナレッジハブとしてY-PORTセンターの機能強化も行いました。今後も更なる連携強化により、新興国の都市課題解決にTDLCとともに貢献していきます。
横浜市国際局長 橋本徹
主な連携実績
- 2023年3月
横浜市国際局長が、国際ワークショップ「タイの都市をレジリエントで魅力的な投資先に:居住性とサステナビリティの可能性を引き出す」(2023年3月9日)において、横浜市の都市再生プロジェクトと気候変動に強い都市インフラについてプレゼンテーションを行いました。
- 2022年4月
コミュニティ主導のビジョンから実践へ-横浜都市デザインスケッチブックの中南米やその他地域での適用-にて、都市整備局長が開会の挨拶に登壇した。 - 2022年3月
都市開発実務者向け対話型研修(TDD):低炭素・気候変動対応型都市に市職員が登壇し、横浜市が「横浜市地球温暖化対策実行計画」をどのように策定・実施・評価してきたか説明した。また、環境に優しく低炭素な資本投資計画を策定し実行するために、横浜市が重視してきた要素について説明した。 - 2021年10月
第10回アジア・スマートシティ会議:世界銀行セッションに市職員が登壇し、脱炭素社会に向けての横浜市におけるスマートソリューションの設計と推進、留意点や学んだ点を共有した。 - 2021年10月
都市開発実務者向け対話型研修(TDD): 廃棄物管理と循環型経済に市職員が登壇し、横浜市の循環型経済発展への取り組み、「横浜の循環型経済プラス」を紹介した。 - 2021年4月
低炭素都市に向けた世界銀行知識共有シリーズ#1:省エネルギー建築物に市職員が登壇し、同市が目指す2050年までの温室効果ガス実質排出ゼロ(脱炭素化)の計画について紹介した。 - 2021年1月
横浜市と「第9回アジア・スマートシティ会議」を共催。TDLCは持続可能な都市開発への道筋に関するパネルディスカッションを実施した。 - 2020年11月
スペイン・バルセロナの「スマートシティライブ2020」にてTDLCが主催したサイドイベントで、横浜市の職員が、コロナ後の都市づくりに関する市の見解や取り組みについて紹介した。 - 2020年2月
横浜市OBが専門家としてTDLCに同行し、コロンビア共和国にて、市の都市デザインの手法(横浜シティスケッチ)を紹介するワークショップを開催した。 - 2019年11月
スペイン・バルセロナで開催された世界銀行とスマートシティ・エキスポ世界会議が共同で開催した国際イベント「シティ・ソリューション・ワークショップ」の全体会に横浜市職員が参加した。 - 2019年10月
横浜市と「第8回アジア・スマートシティ会議」を共催。TDLCは破壊的技術と都市開発に関するパネルディスカッションを実施した。 - 2019年6月
手ごろな住宅(アフォーダブル住宅)に関するTDD研修に横浜市職員が登壇し、市の公営住宅の事例について発表した。 - 2019年4月
横浜市OBが専門家としてTDLCのチームに同行し、市の都市デザインの手法(横浜シティスケッチ)を用いて、パナマシティのウォーターフロント開発とレジリエンスプログラムを支援した。 - 2018年11月
横浜市と「第7回アジア・スマートシティ会議」を共催した。 - 2018年11月
TDLCの公有地・公有財産管理と活用をテーマにしたTDD研修に横浜市の職員が登壇した。 - 2018年11月
フィリピンで開催されたメトロ・セブ都市開発フォーラムにTDLC職員が参加し、都市開発と管理の知見を共有。これを受け、TDLCと横浜市は「横浜ナレッジ・ソースブック」の報告書を発行した。 - 2018年7月
横浜市職員がTDLCのチームに同行し、ルーマニアの3つの自治体を対象とした技術協力を支援した。
*2022年6月現在
主な出版物