2014年10月1日、東海道新幹線が開業50周年を迎えました。また、2008年には、創業以来44年間走り続けてきた新幹線「0系」が引退したニュースは、まだ記憶に新しいことと思います。実は、この新幹線、戦後、日本が世界銀行から貸出を受けて行ったプロジェクトの一つでもあります。
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調印式 | 受益企業 | 対象事業 | |
1 | 1953/10/15 | 関西電力 | 関西電力 多奈川火力発電 |
2 | 1953/10/15 | 九州電力 | 九州電力 苅田火力発電 |
3 | 1953/10/15 | 中部電力 | 中部電力 四日市火力発電 |
4 | 1955/10/25 | 八幡製鉄 | 八幡製鉄 厚板圧延設備 |
5 | 1956/02/21 | 日本鋼管 トヨタ自動車 石川島重工 三菱造船 | 日本鋼管 継ぎ目なし中継管製造整備 トヨタ自動車 挙母工場 石川島重工 東京工場 三菱造船 長崎造船所 |
6 | 1956/12/19 | 川崎製鉄 | 川崎製鉄 千葉工場 |
7 | 1956/12/19 | 農地開発機械公団 | 農地開発機械公団 上北根川地区開墾事業 |
8 | 1957/08/09 | 愛知用水公団 | 愛知用水公団 愛知用水事業 |
9 | 1958/01/29 | 川崎製鉄(2次) | 川崎製鉄 千葉工場 |
10 | 1958/06/13 | 関西電力(2次) | 関西電力 黒部第四水力発電 |
11 | 1958/06/27 | 北陸電力 | 北陸電力 有峰水力発電 |
12 | 1958/07/11 | 住友金属 | 住友金属 和歌山工場 |
13 | 1958/08/18 | 神戸製鋼 | 神戸製鋼 灘浜工場 |
14 | 1958/09/10 | 中部電力(2次) | 中部電力 畑薙第一・第二水力発電 |
15 | 1958/09/10 | 日本鋼管(2次) | 日本鋼管 水江工場 |
16 | 1959/02/17 | 電源開発 | 電源開発 御母衣発電所 |
17 | 1959/11/12 | 富士製鉄 | 富士製鉄 広畑工場 |
18 | 1959/11/12 | 八幡製鉄(2次) | 八幡製鉄 戸畑工場 |
19 | 1960/03/17 | 日本道路公団 | 日本道路公団 高速道路(尼崎-栗東間) |
20 | 1960/12/20 | 川崎製鉄(3次) | 川崎製鉄 千葉工場 |
21 | 1960/12/20 | 住友金属(2次) | 住友金属 和歌山工場 |
22 | 1961/03/16 | 九州電力(2次) | 九州電力 新小倉火力発電 |
23 | 1961/05/02 | 日本国有鉄道 | 日本国有鉄道 東海道新幹線 |
24 | 1961/11/29 | 日本道路公団(2次) | 日本道路公団 高速道路(一宮-栗東、尼崎-西宮間) |
25 | 1963/09/27 | 日本道路公団(3次) | 日本道路公団 東名高速道路(東京-静岡間) |
26 | 1964/04/22 | 日本道路公団(4次) | 日本道路公団 東名高速道路(豊川-小牧間) |
27 | 1964/12/23 | 首都高速道路公団 | 首都高速道路公団 高速道路(羽田-横浜間) |
28 | 1965/01/13 | 電源開発 | 電源開発 九頭竜川水系長野及び湯上発電 |
29 | 1965/05/26 | 日本道路公団(5次) | 日本道路公団 東名高速道路(静岡-豊川間) |
30 | 1965/09/10 | 阪神高速道路公団 | 阪神高速道路公団 神戸市高速道路1号 |
31 | 1966/07/29 | 日本道路公団(6次) | 日本道路公団 東名高速道路(東京-静岡間) |
2008年11月30日、東海道新幹線創業以来44年間走り続けてきた新幹線「0系」が引退したニュースは、まだ皆様の記憶に新しいことと思います。実は、この新幹線、戦後、日本が世界銀行から貸出を受けて行ったプロジェクトの一つでもあります。
日本はサンフランシスコで対日講和条約が調印された翌年の1952年8月、世界銀行に加盟し戦後の復興に必要な多額の資金を借り入れました。最初の貸出は、1953年に調印された火力電力プロジェクトに対するものでした。1950年代の貸出は、鉄鋼、自動車、産業、造船、ダム建設を含めた電力開発に向けられました。1960年代に入ると、道路・輸送セクターが主な対象となり、名神高速道路や東海道新幹線などの建設への貸出が行われました。
1966年、日本は最後の借入に調印し、世銀の卒業国となりました。世銀からの資金を基礎として著しい復興と躍進を遂げた事は世界の注目を集めました。こうして日本は、資本市場として重要な役割を担うようになり、現在では、世銀にとって第二の出資国となり、様々な分野で世銀の重要なパートナーとなっています。日本が世銀から借入れた総額はおよそ8億6,300万ドル、31件となり、最後の借入を完済したのは1990年です。
2011年は世界銀行が日本の資本市場で債券を発行してから40周年の記念すべき年でした。過去40年にわたり日本の投資家が購入した世銀債は約1500億米ドルに上り、こうして調達された資金は世銀を通じて世界中の途上国で経済・社会開発に役立てられています。上記のビデオでは、世界銀行と日本の歴史、世銀債について、また最近の世銀の活動を紹介しています。
元世界銀行職員の阿部義章早稲田大学名誉教授による調査研究論文(英語)を下記のリンクよりご覧いただけます。