1958年の1年間に、世銀は日本の鉄鋼分野に実に4件もの貸出を提供しています。これは当時の日本が、いかに鉄鋼業の発展、とりわけ製鉄施設の拡張を日本の経済発展の最優先課題であると考えていたかを示しています。
この年に調印が行われた鉄鋼分野の貸出は、川崎製鉄(第二次)、住友金属、神戸製鋼、日本鉄鋼(第二次)です。神戸製鋼は、灘浜工場の高炉建設および脇浜工場の製鋼に1000万ドルを借入れました。調印は1958年8月。世界銀行の貸出は、灘浜工場800トン高炉建設、脇浜工場製鋼などの設備拡大に向けられました。翌1959年1月には、神戸製鉄所の灘浜1号高炉の火入れが行われ、銑鋼一貫体制が確立したのです。日本の鉄鋼業はその後も急成長し、1960年には粗鋼生産でフランスを抜いて世界第5位の地位にまでなりました。
プロジェクトデータ |
調印日:1958年8月18日 受益企業:神戸製鋼 対象事業:灘浜工場800トン高炉,脇浜工場製鋼 貸出額:1000万米ドル |