概要
世界銀行は2016年より運用を開始した新調達フレームワークに「バリュー・フォー・マネー(VfM)」の理念を採用し、 品質、持続可能性、革新性といった価格以外の要素について「Rated Criteria」を用いて入札者の審査にあたるよう奨励してきました。これにより借入者 は調達において、最も安い入札価格ではなくFit for Purpose なソリューションを優先する選定基準を使うなど、より戦略的なアプローチをとることが可能になっています。
世界銀行は2023年9月1日より、国際調達1の大半について基本的に「Rated Criteria」を使用することを義務付けます。
今回の決定に至った背景にはいくつかの要因があります。まず何よりも、「Rated Criteria」がより広く使われることで、借入者はより柔軟に、特定の状況に最もふさわしい工事、機材、非コンサルティング・サービス を調達し、より適切なアプローチをとることが可能になります。
また、優れたサプライヤー が自らの付加価値も評価の対象になると理解した上で、世界銀行の融資するプロジェクトに入札・参加しようという意欲を高め、ひいては選定先のオプションを増やし、世界規模の競争を促し、効果的な市場ソリューションを確保できる可能性を高めます。
このほか、国際調達に「Rated Criteria」を用いることの利点としては、以下が挙げられます。
- 本アプローチの使用が拡大することで、契約に基づく望ましい成果の実現に加え、環境・社会面の問題、サプライチェーンの混乱、サイバー・セキュリティ、世界的な公衆衛生上の緊急事態等に対する効果的なリスク管理に一層の貢献が見込める。
- 不正入札への対策になると同時に、調達プロセスにおける談合リスクの削減にもつながる。
- 「Rated Criteria」に、価格とライフサイクルコストを組み合わせると、品質や持続可能性をはじめとする主要基準に着目したより本質的な評価が可能になる。
世界銀行は今後も、この新アプローチへの移行をスムーズに進めるための研修や実践的なサポートを提供すると共に、貴重な資源を最大限有効活用し、受益者 により良い価値を確保し、現在の世界規模の課題に対応するための鍵となる公的な政策・管理ツールとして調達が担う戦略的役割を高めていきます。
「Rated Criteria」関連のコンテンツは本ウェブサイトにて随時更新しますので、定期的にご確認ください。