質の高いインフラ投資原則とは、質の高いインフラ投資の実現に向けたG20共通の
戦略的方向性と志を示す、任意で法的な拘束力のない一連の原則です。この原則は、
2016年のG7伊勢志摩サミットで基本的な要素について認識が共有され、2019年に
日本が議長国を務めた大阪サミットでG20参加国により承認されました。
QII原則は、コンクリート等を主材料とした人工構造物に代表される従来型インフラを超えたコンセプトに基づいています。各国はこの原則を実施することで、インフラによる経済や社会、環境、開発への影響について最高レベルの基準にのっとった投資を目指すことが可能になります。このような投資こそが、持続可能で強靭かつ包摂的な成長の基盤にほかなりません。
QIIを実現するには、インフラの経済的効率性を高めるため、インフラ投資におけるライフサイクル全体への考慮が求められます。また、有害な排出ガスを制限し、気候変動による異常気象への強靱性を高める必要があります。さらに、女性やマイノリティ、その他の社会的弱者を含めあらゆる人々がインフラの恩恵を享受できるようでなければなりません。そして、オープンで透明性の担保された適切なインフラプロジェクトが組成されるよう、優れたインフラ・ガバナンスが求められています。