ワシントンDC、2025年2月20日 – アジア開発銀行(ADB)と世界銀行(WB)は本日、協調融資を提供する公共セクター・プロジェクトにおいて協力を深めるため、新たに画期的な完全相互信頼枠組み(FMRF)構築を目指すことで合意した。これは国際開発金融機関(MDBs)間において初の取決めであり、プロジェクトの進行と実施を合理化し、借入国により迅速かつ効率的な成果を提供することを目指す。
FMRFの下で、WBとADBの協調融資の借入国がプロジェクトの設計、準備、評価、監督、完了、評価のすべての側面において求められる唯一の規則は、WBまたはADBの政策と手続きに従うことである。FMRFは、効率性、時間とコストの節約、より良い成果、政策の整合性強化をもたらすことで、よりまとまりのある「国際開発金融機関システム」の実現という目標に向かって前進が期待されている。
G20を含む国際社会は、インパクトの最大化に加え、増大する開発課題により効率的に取り組むことでさらに良い成果を達成するために、国際開発金融機関(MDBs)がこれまで以上に団結して取り組むよう求めている。そうした中、今回の枠組みは、こういった声に応えるものでもある。
「完全相互信頼枠組みは、我々と世界銀行との協力における重要な一歩であり、アジア太平洋地域の地域社会と国々に永続的な利益をもたらすだろう」と ADBの浅川正嗣総裁は述べた。「それぞれの強みを生かすことで、効率性の向上、インパクトの拡大、持続可能で包摂的な成長のための強力なプラットフォームの提供を実現することができる」
「世界銀行グループとアジア開発銀行との今回のパートナーシップは、両機関の間の深い信頼と変わることのない信認の証である」と、世界銀行グループのアジェイ・バンガ総裁は述べた。「また、開発金融において、競争ではなく協力がより大きなインパクトをもたらすという大規模なシフトを反映するものでもある。両機関の強みを組み合わせることで、各国が必要な支援により迅速で容易かつより費用対効果の高い方法でアクセスできるようにしていく。これは単なる合意にとどまらず、開発金融機関が支援対象となる人々のためにより良い成果を実現するための協力のひな型となるだろう」
枠組みは2025年から4年間を第一フェーズとし、まずは厳選された公共部門プロジェクトに適用され、業務アプローチを改善し成果を評価する。FMRFは、2018年の調達枠組み協定など、両機関間のこれまでの協調融資の取組みを基に、市民社会組織、借入国、その他のステークホルダーとの関わりから得られた教訓を取り入れている。
FMRFは、MDBs間におけるより深い協力関係のモデルとして、知識の共有とイノベーションを促進しながら、喫緊の開発ニーズに対応するために役立つとして期待されている。