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プレスリリース2024年9月6日

世界銀行、太平洋島嶼国による国際金融システムへのアクセス強化支援を発表

ワシントン、2024年9月6日 – 世界銀行は、太平洋島嶼国(PIC)7カ国が世界の金融システムに円滑なアクセスを維持できるよう、国外送金を中継するコルレス銀行との関係強化に向けた新プロジェクトを立ち上げる。

「コルレス銀行関係(CBR)プロジェクト」 の対象国は、フィジー、キリバス、マーシャル諸島共和国、サモア、トンガ、ツバル、バヌアツ、そして地域機関である太平洋諸島フォーラム(PIF)である。プロジェクトは、同地域を初めて訪問中のアジェイ・バンガ世界銀行グループ総裁により発表されたもので、地域的なアプローチを促進し、より多くの太平洋諸国や二国間・多国間のドナーが参加できるプラットフォームとして設計されている。  

金融機関がコルレス銀行と連携するのは、コストのかかる海外支店を開設することなく、国外で外貨によるサービス提供が可能であり、国際貿易、投資、送金、災害救援、人道支援において極めて重要な役割を担うことができるからである。

太平洋島嶼国は、多くのコルレス銀行を失っており、過去10年間の減少率は、世界平均の30%をはるかに上回る60%となっている。送金の中継は、国際基準の監督を受ける中、大量の取引を必要とする、リスクが高く収益の低いビジネスとなることがある。現在、PIC各国の経済は、コルレス銀行が国際金融機関のリスク志向の範囲内で採算が取れるような十分な取引を提供できるほど大規模ではない。

今回発表されたプロジェクトは、暫定的ではあるが迅速な解決策を提供し、コルレス銀行撤退に対する中期的な解決策の基盤を築くものとなる。

まず、主要通貨での最後のコルレス銀行を失いかけているPICの金融機関に対し、一定の条件を満たしている場合に、送金中継事業者と契約するための補助金を提供する。これにより、より持続可能なソリューションが導入されるまでの間、PIC向けとPICからの継続的な資金フローが確保される。次に、開発パートナーと連携して、対象となるPICによる国際基準順守の徹底、規制枠組みの強化、そして、より持続可能なソリューションの策定を支援する。そうしたソリューションとしては、地域全体の取引を対象とし、一定の規模を達成し、市場主導型ビジネスの明確な理論的根拠を構築するものを想定している。

重要なポイントは、本プロジェクトが、コルレス銀行が長年にわたって抱える問題を解決するための地域的なアプローチを促進する点にある。実施を担当する部署は、地域政策の調整とプロジェクトの成功に重要な役割を果たすことになる太平洋諸島フォーラム内に設置される。

「国際金融サービスへの継続的なアクセスを守ることは、太平洋島嶼国の人々や企業にとって不可欠である」とバンガ総裁は述べた。 「このプロジェクトの下で、コルレス銀行は業務を継続し、我々は協力して規模とビジネスの明確な理論的根拠にもとづいた市場ソリューションを編み出していく」

プロジェクトの資金6,800万ドルは、世界銀行の基金で最貧国を支援する国際開発協会(IDA)からのクレジットおよびグラントによりまかなわれる。

世界銀行は2013年以来、太平洋地域への承認額を6倍以上に増やし、プログラムを拡大している。

プレスリリース番号: 2025/013/EAP

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シドニー:
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+61 450 517534
ワシントン:
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+1 202 288 9029
東京:
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