Skip to Main Navigation
プレスリリース2022年6月30日

世界銀行理事会、パンデミックに対する予防、備え及び対応(PPR)のための新基金を承認

WHOを主たる専門的パートナーに、世界銀行内に事務局を設置

ワシントン、2022年6月30日— 新型コロナウイルス感染症が人、経済、社会にもたらした壊滅的な打撃は、保健システムの強化と、パンデミックに対する予防、備え及び対応(PPR)のための追加資金動員に向け協調した行動が緊急に必要であることを浮き彫りにしている。

世界銀行理事会は本日、特に低・中所得国を支援対象に、パンデミックへのPPR機能を国、地域、グローバルの各レベルで強化するために必要不可欠な投資に資金を提供する金融仲介基金(FIF)の設置を承認した。FIFはPPR専用の追加資金を確保し、各国に投資拡大を促し、パートナー間での協力を強化し、保健システム強化と資金動員に協力して取り組むべきだと主張するプラットフォームの枠割を担う。また、世界銀行による資金・技術面の支援を補完すると共に、WHOの強力な専門性を活用し、その他の主要機関にも参加を働きかける。

G20諸国をはじめとする各国からの広範な支援の下、米国のほか、G20議長国のイタリアとインドネシアの首脳と共に開発されたFIFには、米国、欧州連合(EU)、インドネシア、ドイツ、英国、シンガポール、ゲイツ財団、ウェルカム・トラストなどから、既に10億ドルを超える拠出のコミットメントが表明されている。

「世界銀行に事務局を置く新しい金融仲介基金に株主の皆様から広範な支援をいただき、嬉しく思う。」とマルパス世界銀行総裁は述べた。「世界銀行は現在、100を超える途上国において保健システム強化のためのプロジェクトを進めており、PPRに最大の資金を拠出している。本FIFは、低・中所得の国や地域が次なるパンデミックに備えられるよう支援する既存機関の取組みを補完するため、追加で長期的資金を提供する。」

「パンデミックの予防と備えのための資金へのアクセス確保は極めて重要である。新型コロナウイルス感染症は、備えのための機能に大きな格差のあることを明らかにしており、今回の新金融仲介基金は、公衆衛生上の緊急事態への備えと対応のためのグローバルな体制の一環として首尾一貫した形での対応が可能である。」とWHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス博士は述べた。「WHOは本FIFにおいて中心的役割を担っており、この野心的ビジョンの実現に向け、世界銀行と緊密に協力しつつ、専門性を駆使して取組みを率いていく。」

FIFの目標は、疾病監視、研究体制、保健人材、緊急時の情報伝達と管理、地域社会との連携といった分野での各国の機能を強化し、パンデミックPPR機能の深刻な格差を解消するために資金を提供することにある。また、地域レベルやグローバルな機能の強化における格差の縮小においても、例えば、データ共有や規制調和に加え、対応策や必要不可欠な医薬品の協調的な策定や調達、分配、実施の機能を高めるなど、貢献できる可能性がある。

世界銀行とWHOは今後数週間をかけ、ドナーや他のパートナーとも緊密に協力して、FIFの詳細な範囲を定め設計を進める予定である。現在の議論は、ステークホルダーからのコメントを通じて寄せられた広範な意見を参考に進められ、2022年秋のFIF始動を目指す。

FIFの受託機関は、資金面・法律面のプラットフォーム、プログラム管理とプロジェクトの専門知識、FIF管理の経験を有する世界銀行が務める。また事務局も世界銀行内に置かれ、事務局業務は世界銀行とWHOの職員が担う。WHOも、専門性を駆使してFIFの専門諮問パネルの業務を支援・調整する。FIFの資金を受けたプロジェクトの実施組織には、世界銀行グループに加え、WHO、その他の国際開発金融機関(MDBs)と国連機関等の各種機関が含まれる予定である。FIFの取組みは、PPRのための既存のグローバルな保健体制を足掛かりに、「国際保健規則(IHR 2005)」とその関連モニタリング・メカニズムに沿って進められ、専門分野ではWHOが中心的役割を担う。

FIFの主な理念は、PPRのために国際資金を提供する既存機関の取組みを補完するもので、比較優位性を生かし、民間、慈善団体、二国間援助団体からの資金拠出を促進する。FIFにはまた、各国がPPRへの投資を拡大するよう促し、PPRの取組みを取りまとめることのほか、各種の既存機関を通じて取り組み、ときと共にニーズや制度の状況が変化するのに伴い調整を行うだけの柔軟性を示すことが期待されている。FIFは、包摂性と機動性を兼ね備えた構造であり、最高水準の透明性と説明責任をもって取組みに当たる。

プレスリリース番号: 2022/077/HNP

お問い合せ

ワシントン:
David Theis
+12024588626
東京:
開裕香子
+81 (3) 3597 6650
WHO
+41 22 791 2222

ブログ

    loader image

最新情報

    loader image