東京、2018年6月1日ーこのたび、世界銀行(国際復興開発銀行:IBRD)は「世界の女性と子供たちの保健への支援」をテーマとするサステナブル・デベロップメント・ボンド(発行額 6,000 万カナダドル、償還期間 10 年)を発行し、株式会社かんぽ生命保険(東京都千代田区、取締役兼代表執行役社長 植平光彦、以下「かんぽ生命」)にご投資頂きましたことを発表致します。
かんぽ生命は、「いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。」という経営理念のもと、「健康促進、環境保護、地域と社会の発展に積極的に貢献します。」を経営方針の一つとして、健康促進を社会的責任と捉えて取り組んでいます。資産運用においても、この経営方針のもと、ESG(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス))に関する様々な取組の一環として、本投資を実施しました。かんぽ生命は、今後もこうした投資を通じて社会的責任を果たすとともに、適切なリスク管理のもとで、運用資産の多様化を進めつつ、収益性の向上を目指します。
世界銀行は世界各国の資本市場で年間 400 億ドル相当のサステナブル・デベロップメント・ボンドを発行しており、その資金は全て、国連が推進する「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成を目指すプロジェクトファイナンスに充当されます。支援の一例には、インドネシアにおける「妊婦と二歳未満の子供の健康の改善ならびに栄養失調の解消」を目指すプロジェクトや、グアテマラにおける「子供を中心とした先住の人々に対する栄養価の高い食料と保健サービス提供プロジェクト」などがあります。
世界銀行が取り組むプロジェクト事例
インドネシア: 妊婦と子供たちの栄養失調を解消するプロジェクト
世界銀行融資額: 4 億ドル(+GFF からの資金拠出 2 千万ドル)
目標: 妊婦と 2 歳未満の子供の健康の改善ならびに栄養失 調の解消
期待される成果: ➢ 600 万人以上の妊産婦ならびに 2 歳未満の 1400 万人の児童に対して保健、十分な栄養、そして水 と衛生の各種サービスを供与。 ➢ 2 歳未満の子供の保護者 2,800 万人を対象に、水 と衛生・栄養価の高い食事・育児カウンセリング のサービスを提供。
現状の問題: インドネシア政府は、特に 5 歳までの幼児の慢性的な栄養失調を解消するサービスの充実に注力 しています。しかしながら、プライマリ・ヘルスケアの質の低さやコミュニティレベルでの最低 限のサービスすら不十分であることなどから、栄養失調は依然として国民全体の 37%の人々に 上る深刻な問題となっています。
プロジェクト概要: 世界銀行とグローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)は栄養失調の問題を大幅に改善 すべく、同国政府を支援しています。具体的には、保健・栄養・水と衛生サービス、ならびに早 期児童養成プログラムへのアクセス向上について全国規模で取り組んでいます。 本プロジェクトでは、妊産婦及び 2 歳未満の幼児とその両親への支援に注力し、保健・栄養のあ る食事・水および衛生等の各種サービスの質の改善と提供範囲の拡大実現のために同国政府を支 援しています。目標達成のため、人的資源の強化、全国、地区、コミュニティーレベルにおける サービス提供を拡大し、実効性を高めるべく、具体的な成果の重視、エビデンスに基づいた透明 性のあるサービス対象選定、そして説明責任を明確にするためのデータの積極的活用を行ってい ます。今後の計画として、2018 年に 100 地区でプロジェクトを開始し、2021 年までに全国 514 地区に拡大します。保健に重要な様々な分野を充実させ、妊産婦や幼児がより健康で生産的な生 活を送ることができるよう、インドネシア政府が効果的な投資を行う事を支援します。詳しくはこちらをご参照ください。(英語)
グアテマラ: 栄養価の高い食料と保健サービスを提供するプロジェクト
世界銀行融資額:1 億ドル(+GFF からの資金拠出 900 万ドル)
目標: 生後 1000 日間以内の乳児を中心に、先住民の慢性的 な栄養失調を改善する
期待される成果: 保健サービスと栄養価の高い食料を合計 68 万人に提供。 ➢ 5 歳未満の 40 万人の子供たちに予防接種を実施。 ➢ 28 万人の女性と 5 歳未満の子供たちに栄養価の高い 食料を提供。 ➢ 2,400 人の保健スタッフに基礎トレーニングを実 施。 ➢ 154 の医療施設の建設または改修。 ➢ 新設ならびに修復された水道を 8 万世帯に提供。
現状の問題: グアテマラでは過去 25 年間に国民全体の健康状態は著しく進歩しましたが、妊産婦死亡率と慢 性的な栄養失調の比率は依然として高いままです。グアテマラの慢性栄養失調率は、ラテンアメ リカは勿論、世界的にも非常に高い水準で、その人々と将来に暗い影を落とし、国の成長とその 潜在力にも悪影響を及ぼしています。実際、2004 年に栄養失調対策に要した費用は、グアテマ ラの GDP の 11.4%を占めました。保健サービスの質の問題は、医療従事者の不足やその他様々 な問題によって引き起こされています。
プロジェクト概要: 世界銀行とグローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)は、特に妊産婦と 2 歳未満の 児童の栄養失調を防ぐため、同国の国家戦略の実施を支援しています。本プロジェクトは、母親 や子供たちに栄養価の高い食料と健康サービスを提供することに重点を置き、家族や地域社会の 習慣の変化を促しています。具体的には、安全な飲料水と衛生設備へのアクセスを改善すべく、 支援対象となる人々が互いに助け合って、地域全体の改善を実現します。また、実効性向上の観 点から、保健サービスの利用に当たっては、状況を詳細に確認の上送金する仕組みを導入し、国 の送金プログラムとプロジェクトによる資金供与が連携するシステムを構築しています。 詳しくはこちらをご参照ください。(英語)
世界銀行(正式名称︓国際復興開発銀行)について
世界銀行(国際復興開発銀行、通称IBRD︓International Bank for Reconstruction and Development)は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在189の加盟国が出資 し運営しています。加盟国の公平で持続可能な経済成長を目指し、地域及び世界規模の経済や環境 問題に効果的に対処していくために、IBRDは中所得国に対し、融資・保証、リスク管理サービスに加 え、開発に関わる様々な分野の専門的な分析・助言サービスを提供しています。世界銀行の目標は、 世界全体の極度の貧困を終結し、すべての人々が共に豊かに暮らせるよう繁栄の共有を実現することで す。世界銀行は融資資金を調達するために、70年以上にわたり国際資本市場で世銀債を発行してい ます。
*上記プロジェクトは、事例のご紹介のみを目的としており、今回の世界銀行債券の資金の活用を上記プロジェクト又はその分野に限定するものではありません。
*世銀債の発行により調達した資金は、特定のプロジェクトやプログラムへの融資に直接割り当てられことはなく、世界銀行加盟国における全ての融資プロジェクトやプログラム対し均一に活用されます。世銀債の元利金の支払いは、世界銀行の信用力に基づき行われるため、投資家は個々の融資プロジェクトやプログラムのリスクを負う事はありません。
*本プレスリリースは、世界銀行債券の購入の勧誘もしくは販売を目的とするものではありません。世界銀行債券の販売は、販売を担当する金融機関より交付される販売説明書等に基づき行われます。世界銀行債券の購入の勧誘は、単独または複数の国の法律に準拠して行われており、関係する全ての法律が遵守されない場合は、購入の勧誘もしくは販売を行うことはできません。