Skip to Main Navigation
特集

国・地方レベルの緊急事態準備・対応(EP&R)システムに関する日本の専門知識の共有

2017年10月13日


Image

緊急事態準備・対応技術知識交換にはクライアント国であるボリビア、インドネシア、ミャンマー、ネパール、ウズベキスタンの担当者が参加しました。



近刊の世界銀行のレポートは、大規模自然災害による影響は年間消費にして5,200億ドルの世界的損失に相当し、毎年約2,600万人が貧困に陥る状況を作り出していると報告しています。機能的対応は感知される影響を軽減し、迅速な復興を可能にし、公衆の安全と経済に対する累積的な影響を低減させます。開発・人口動態の増大分を災害と緊急事態で失わないようにするには、それらと歩調を合わせた緊急事態準備・対応(EP&R)能力が必要です。この意味で、有効なEP&Rシステムは投資と国の発展を守る最前線です。

世界銀行の防災プログラムでは主に、リスクに配慮した土地利用計画、沿岸・河川洪水防止対策などの長期的プロセスと構造面でのリスク軽減対策に重点を置いてきました。その結果、この10年間に数々の小規模なEP&Rプロジェクトは実施されてきましたが、ようやく最近、イスタンブール地震リスク軽減プロジェクト(ISMEP)バングラデシュ都市強靭化プロジェクトなどのプロジェクトを通じ、EP&Rを強靭な開発の主な要素とみなすようになりました。これらのプロジェクトの進行につれ、この分野で組織をまとめ、助言を与える内部の専門知識の獲得が課題として浮上しました。このタイプのプロジェクトに対する需要の増大と内部の専門知識の不足という二重のプレッシャーにより、緊急事態準備・対応における世界銀行グループ(WBG)の投資に関し、サービスの格差が拡大しました。

概要

2017年8月28日~9月3日、世界銀行対応準備(R2R)コミュニティオブプラクティス(CoP)、都市強靭性強化プログラム(CRP)、防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)、世界銀行東京防災ハブは、シティネット横浜と共同で、東京と横浜で緊急事態準備・対応に関する技術知識交換(TKX)を開催し、それには5カ国のクライアントとTTL、日本とカナダの専門家が参加しました。この1週間にわたる革新的な知識交換は、次のような実際的テーマを重点として実施されました。


(i)   一部のクライアント国の危機管理体制を改善するために、日本の国・地方レベルでの災害準備・対応システムに関して学ぶ

(ii)  クライアント国で再現できる可能性のある災害準備・対応に関する(避難訓練などの)リスク伝達および啓発活動に関する理解の強化

(iii)  横浜での災害リスク軽減・準備に重点を置いた都市/コミュニティ計画イニシアティブの観察と学習


" この分野の専門知識において日本がベストであることは間違いありません。日本の効果的で状況に合った災害管理システムから学ぶことは、理論を実行に移す方法の学習という意味で、すべての国にとって重要です。 "
Image

マーク・S・フォルニ

世界銀行上級防災専門官


Image
東京臨海広域防災公園は首都圏で大規模災害(マグニチュード6以上の地震など)発生時の災害対策活動中心基地の役割を務める災害対策センター(EOC)です。


Image
東京臨海広域防災公園の現地視察中に、参加者は地震シミュレーションツアーに参加し、首都圏での地震災害の発生から始まり避難で終わる一連の出来事を実体験しました。


Image
横浜市消防局の現地視察


 「日本の防災システムは効果的で整備された緊急事態準備システムの最善の例です。それは長年にわたる経験と学んだ教訓の成果であり、世界レベルでの関連性が例証され、確認されています。東京と横浜の現地視察では、日本が自然災害に備えて発展させてきた周到な計画、組織、準備・対応策の整備が紹介されました。加えて、日本のコミュニティでの研修と防災訓練は、公衆に対する集団啓発活動の見事な実例です。

今回の経験は自国の都市の現状、災害準備・対応の程度、将来的に直面する問題点に関して考えるきっかけになりました。自国の都市の持続可能な発展を確保するために、これらの問題と取り組むことの重要性を自覚しました。素晴らしい経験でした!」-フラビア・ロドリゲス・ガンティエル(Flavia Rodriguez Gantier)ボリビア公共事業・サービス・住宅省

次のステップ

TKXの結果、世界銀行東京防災ハブを通じ、技術仕様と実施要領を含む一連の知識成果物の作成を進めており、それらは災害準備プログラムを支援するためにチームとクライアントに配布されます。作成中の知識成果物は、緊急事態訓練に関するソリューション概要書(例えば仕様指示書、訓練教材/日程)、EP&Rの枠組みおよび制度的取り決めに関する機能、決定支援ツール、緊急事態対策センター(業務指示書と設計仕様)、石油・ガス施設に関する災害準備計画(例えば標準実施要領、訓練教材)、EP&R能力整備/啓発に関する随時実施ワークショップなどです。今後も世界銀行東京防災ハブは、緊急事態準備・対応システムに関する日本やその他諸国のコンセプトおよびベストプラクティスと世界銀行のクライアントおよびチームを結ぶ努力を続けてゆきます。

「災害に対してきわめて脆弱なネパールのような国にとり、今回の訓練は大いに意義があります。日本は災害準備とリスク軽減における世界的リーダーであり、災害の防止・軽減における技術の使用例を見学し、導入されているシステムについて知ることは、大変勉強になりました。準備と対応におけるネパールの現状およびネパール政府が目標とすべきことを認識できました。これは素晴らしい学習の機会でした。このような訓練を主催してくれた世界銀行東京防災ハブに感謝します。」-ウッタール・カートリ(Uttar Khatri)財務省次官補

Image
TKXチームは横浜で横浜市長の監督による防災の日の訓練に参加し、見学しました。この訓練では大規模災害対応に必要な訓練、調整、コミュニティの参加、対応に関する実地訓練が行われました-横浜市主催防災の日訓練、2017年9月3日

Japan-World Bank Program for Mainstreaming Disaster Risk Management in Developing Countries







Api
Api

Welcome