近刊の世界銀行のレポートは、大規模自然災害による影響は年間消費にして5,200億ドルの世界的損失に相当し、毎年約2,600万人が貧困に陥る状況を作り出していると報告しています。機能的対応は感知される影響を軽減し、迅速な復興を可能にし、公衆の安全と経済に対する累積的な影響を低減させます。開発・人口動態の増大分を災害と緊急事態で失わないようにするには、それらと歩調を合わせた緊急事態準備・対応(EP&R)能力が必要です。この意味で、有効なEP&Rシステムは投資と国の発展を守る最前線です。
世界銀行の防災プログラムでは主に、リスクに配慮した土地利用計画、沿岸・河川洪水防止対策などの長期的プロセスと構造面でのリスク軽減対策に重点を置いてきました。その結果、この10年間に数々の小規模なEP&Rプロジェクトは実施されてきましたが、ようやく最近、イスタンブール地震リスク軽減プロジェクト(ISMEP)やバングラデシュ都市強靭化プロジェクトなどのプロジェクトを通じ、EP&Rを強靭な開発の主な要素とみなすようになりました。これらのプロジェクトの進行につれ、この分野で組織をまとめ、助言を与える内部の専門知識の獲得が課題として浮上しました。このタイプのプロジェクトに対する需要の増大と内部の専門知識の不足という二重のプレッシャーにより、緊急事態準備・対応における世界銀行グループ(WBG)の投資に関し、サービスの格差が拡大しました。
概要
2017年8月28日~9月3日、世界銀行対応準備(R2R)コミュニティオブプラクティス(CoP)、都市強靭性強化プログラム(CRP)、防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)、世界銀行東京防災ハブは、シティネット横浜と共同で、東京と横浜で緊急事態準備・対応に関する技術知識交換(TKX)を開催し、それには5カ国のクライアントとTTL、日本とカナダの専門家が参加しました。この1週間にわたる革新的な知識交換は、次のような実際的テーマを重点として実施されました。