世界で急速に進む都市化により、経済促進や利便性の向上などが期待される一方、生活環境の悪化や災害への脆弱性などの様々都市特有の課題が危惧されています。
このような都市化がもたらす様々な課題に対し、世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)は、日本の都市が持つ先進的な知見・技術を世界に発信し、途上国での開発事業を促進させることを目的とした「都市連携プログラム(City Partnership Program: CPP)」を2016年に開始しました。現在は、6都市(富山市、北九州市、京都市、神戸市、福岡市、横浜市)と連携し、各都市のまちづくりの知見や技術を途上国に提供する取り組みを行っています。
本プログラムの一環として、富山市とTDLCは、世界的なロールモデルとして評価されている同市の「コンパクトシティ戦略」に基づくまちづくりの取り組みをまとめたケースブック「Development Knowledge of Toyama City(富山市のまちづくりのノウハウ)」を2017年に発刊しました。そして本年、「富山駅の南北接続事業」や「ネクストステージに向けた取組」等を盛り込んだ改訂版「The Development Story of Toyama(富山市の発展の歩み)」を発刊しました。
本イベントでは、森雅志 富山市長他、同市の都市政策担当者をお迎えし、改訂版のケースブックの内容を基に、富山市のコンパクトシティ開発の軌跡をたどり、国の政策との整合性、自治体としての役割、民間企業との連携などについて振り返るとともに、日本のコンパクトシティ開発のアプローチが、途上国でどのように応用できるかについて議論しました。