世界銀行、アジア開発銀行研究所共催
世界銀行、アジア開発銀行研究所共催
世界銀行は1月9日、年2回発行する報告書「世界経済見通し(GEP)」の2018年1月版「世界経済見通し(GEP):広範な回復、いつまで続くか?」(Global Economic Prospects: Broad-Based Upturn, but for How Long?)を発表しました。同報告書では、世界経済は2017年に予測を大幅に上回る成長を見せたが、2018年は3.1%の小幅な成長に留まる見通しで、その背景には、投資、製造業、貿易の回復継続と、一次産品輸出途上国が価格安定から受ける恩恵があると分析しています。ただし、この回復基調は概ね短期的なものと見られ、長期的には潜在成長力(労働力と資本が100%活用されることを前提とする)が鈍化する恐れがあり、それが世界全体での生活水準改善や貧困撲滅の進捗を損ないかねないと述べています。
プレスリリース(日本語版):2018年、世界経済の成長率は小幅ながら3.1%まで上昇するも、今後の潜在成長力には懸念も
この度、同報告書の執筆を担当したアイハン・コーゼ世界銀行開発経済総局(DEC)開発見通し局長が来日し、同報告書の主要な論点をご紹介するセミナーを開催しました。セミナーでは冒頭、宮崎成人・世界銀行グループ駐日特別代表の挨拶の後、アイハン・コーゼが同報告書の主な論点をご紹介し、続いてピーター・モーガン アジア開発銀行研究所シニアコンサルティングエコノミスト・研究部長代理がコメンテイターを務めました。
挨拶
宮崎成人
世界銀行グループ駐日特別代表
報告
アイハン・コーゼ
世界銀行開発経済総局(DEC)開発見通し局長Comments
当日の資料:
Global Economic Prospects: Broad-Based Upturn, but for How Long? (PDF)
討論
ピーター・モーガン
アジア開発銀行研究所(ADBI) シニアコンサルティングエコノミスト、研究部長代理
当日の資料: Global Economic Prospects (PDF)
世界銀行グループの開発見通し局長として、マクロ経済見通し・予想、金融フロー、商品市場に関する分析業務をとりまとめ、貧困撲滅と繁栄の共有の促進という世界銀行グループの2つの目標のモニタリングも主導。世界銀行の旗艦報告書である『世界経済見通し』(Global Economic Prospects)、『グローバル・モニタリング・レポート』(Global Monitoring Report)などの経済モニタリング報告の作成を統括。2014年6月の世界銀行入行前は国際通貨基金(IMF)に所属しており、調査局次長兼多数国間サーベイランス部次長、2014年版スピルオーバー報告書タスクフォース共同議長、ニカラグア2007~11年IMFプログラム事後評価担当チーフ、西半球局米国・カナダ担当デスク。シカゴ大学経営学大学院とINSEADで教鞭をとり、ブランダイズ大学国際経営学大学院助教授を歴任。マクロ経済・国際金融に関する著作多数。アイオワ大学経営学大学院経済学博士号、ビルケント大学産業工学士号を取得。トルコ出身。 |
2018年2月21日 オピニオン
世界の需要不足解消へ 構造改革実行への好機到来
2018年1月9日 プレスリリース
2018年、世界経済の成長率は小幅ながら3.1%まで上昇するも、今後の潜在成長力には懸念も
報告書
世界経済見通し(GEP)(英語)