世界銀行は昨年11月に報告書『防災と貧困削減』を発表し、災害が貧困に与える影響がこれまで理解されていたよりもはるかに深刻であり、年間消費にして5,200億ドルの損失に相当し、毎年約2,600万人が貧困に陥っているとしています。例えば、2013年、フィリピンでは台風ハイエンの影響で100万人が貧困に陥り、国家経済に129億ドル相当の打撃を与え、100万戸を超える家屋が倒壊しましたが、自然災害による損失は、対応能力が低い貧困層に最も大きな影響を与えています。
『防災と貧困削減』は、自然災害による被害の評価に新たな手法を導入し、各国がより理解を深め、洪水対策の堤防といったリスク削減に適切な投資を選択できるようにするためのロードマップ、さらに早期警報システム、社会保護制度といった強靭性を高める事前準備策を提案しています。
本セミナーでは、日本が持続可能な成長を遂げるために行ってきた防災管理の歴史を紹介し、『防災と貧困削減』でまとめられた調査結果を報告した上で、途上国がいかに災害リスクに対応し、強靭性を高めて貧困削減に取り組んでいるかについて議論します。
プログラム
開会挨拶
塚越保祐 世界銀行グループ 駐日特別代表
講演
ステファン・ハレガッテ 世界銀行 防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)上級エコノミスト
コメンテーター
西川智 日本地域開発センター 総括研究理事
庄司匡宏 成城大学経済学部准教授
モデレーター
ジェームズ・ニューマン 世界銀行 防災グローバル・ファシリティ 東京防災ハブ 防災専門官
※このセミナーは公開用に録画されます。