2015年4月25日、ネパールの首都カトマンズの北西、ゴルカ地方で発生したマグニチュード7.8の大地震は、大規模な地すべりや雪崩を引き起こし、広範囲にわたり甚大な被害をもたらしました。その後も余震が頻繁に続き、5月12日に再び同地域を襲ったマグニチュード7強の地震により、被害が拡大しました。ネパール政府の発表によると、この震災による死者数は8,700名以上、負傷者数は25,000名以上にのぼりました。
震災から1年。ネパール政府は、開発パートナーと協力し復興事業を進める中で、将来のリスクへの備えにも取り組んでいます。現在、同政府が作成している「ネパールのための強靭な復興フレームワーク」においても、単なる再建計画を超え、将来のリスクへの強靭性を備えるための計画が議論されています。
本セミナーでは、ネパールにおける震災当時の対応と課題、ならびに東北大学によるフィールド調査の結果を踏まえ、緊急医療および人的被害の傾向が示す脆弱性の特徴を紹介します。また、この震災を通して特定された脆弱性を踏まえ、将来のリスクへの備えに繋げるための取り組みに焦点をあて、震災直後からネパール政府と密に連携して取り組んでいる、世界銀行 / 東京防災ハブおよび国際協力機構 (JICA) による復興支援プロジェクトを紹介します。
プログラム
開会挨拶
塚越 保祐
世界銀行グループ 駐日特別代表
基調報告
今村 文彦
東北大学 災害科学国際研究所 所長 / 東北大学 災害科学国際研究所 災害リスク研究部門 津波工学研究分野 教授
「国際的な防災・減災に向けた大学の役割:東北大学災害科学国際研究所の発足と活動」PDF (英語)
講演
ケム・バハドゥル・カルキ
ネパール連邦民主共和国政府 保健研究学術会議長官 / ネパール政府 緊急医療チームコーディネーター
「2015年ネパール地震における緊急医療対応:我々は何を学んだか」PDF (英語)
江川 新一
東北大学災害科学国際研究所 災害医学研究部門 教授
「ゴルカ地震における人的被害に関する医学的分析」PDF (英語)
アヴァニ・ディキシット
世界銀行 社会・都市・農村開発・強靭性グローバルプラクティス ネパール住宅再建事業 防災専門官
ジョティ・パンディ
世界銀行 社会・都市・農村開発・強靭性グローバルプラクティス ネパール住宅再建事業 社会的保護専門官
「災害リスクを考慮した社会的保護の仕組みづくり:ネパール地震への対応」PDF (英語)
室岡 直道
国際協力機構 社会基盤平和構築部 都市・地域開発グループ 都市・地域開発第一課 企画役
「ネパール震災後の復興に関するJICAの取り組み:基盤インフラ構築支援を通した災害に強い街づくり」PDF (英語)
モデレーター
金田 恵子
世界銀行 防災グローバルファシリティ 東京防災ハブ 防災専門官
(敬称略)
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