2016年、アフリカ開発会議(TICAD)が開催されます。TICADは、アフリカの開発をテーマとする国際会議で、1993年以降日本政府が主催し、世界銀行も共催しています。第1回から第3回は東京で、第4回と第5回は横浜で開催されてきましたが、今後は3年に一度となり、今年初めてアフリカで開催される予定です。これに向け、世界銀行東京事務所では、TICADとアフリカ各国の課題と展望に関するセミナーシリーズを開催しています。
安部首相は、昨年9月に開催された第3回日・アフリカ地域経共同体議長首脳会合で、モンバサ・北部回廊、ナカラ回廊、西アフリカ地域を3重点地域として広域総合開発への支援を重視すると表明しました。TICADセミナーシリーズの第1回ではモザンビークを取り上げましたが、5回目となる今回は「ケニアおよび周辺国のインフラとビジネス機会」と題し、世界銀行グループのケニア事務所をテレビ会議でつなぎ、世界銀行および国際金融公社の現地スタッフ、日本企業・機関から、それぞれの取り組み状況や今後の課題などについてご紹介しました。
セミナー冒頭、塚越保祐・世界銀行グループ駐日特別代表が挨拶を述べ、今年8月27~28日にケニアで開催されるTICAD VI で主要なテーマとして取り上げられる予定の民間企業の役割について、今回のセミナーではケニアに焦点を当てる旨をご紹介しました。また、駐日アフリカ外交団団長代行を務めるアホメド・アライタ・アリ駐日ジブチ共和国特命全権大使が挨拶を述べ、アフリカ外交団としてのTICAD VIへの期待、および3月14~15日にジブチ共和国で高級実務者会合の開催が決まった旨をご紹介しました。
続いて、ディアリエトゥ・ガイ 世界銀行ケニア・ルワンダ・ウガンダ・エリトリア担当局長、アプルバ・サンギ同主任エコミスト マリア・パウリナ・モゴロン ナイロビ事務所上級民間セクター開発専門官、ウマール・セイディマニュエル・モーゼス国際金融公社(IFC)東部・南部アフリカ担当局長がテレビ会議でケニア・ナイロビから、ケニアのマクロ経済の現況、インフラを中心とした世界銀によるケニア向け支援の概況、民間セクター開発および民間企業向け支援の現況についてプレゼンテーションを行いました。さらに、竹内直樹・豊田通商株式会社執行役員が同社のケニアを中心としたアフリカにおける取り組み状況、長峰裕樹・日本貿易振興機構(JETRO)企画部海外地域戦略班アフリカ担当がジェトロによるアフリカにおける日本企業向け支援体制、日本企業の進出状況、ケニアにおけるTICAD VIにおけるジェトロの活動予定などについてご紹介しました。
プログラム
冒頭挨拶
塚越保祐 世界銀行グループ駐日特別代表
アホメド・アライタ・アリ ジブチ共和国特命全権大使 アフリカ外交団団長代行
スピーカー
ディアリエトゥ・ガイ 世界銀行 ケニア・ルワンダ・ウガンダ・エリトリア担当局長
アプルバ・サンギ 世界銀行 ケニア・ルワンダ・ウガンダ・エリトリア担当主任エコミスト
マリア・パウリナ・モゴロン 世界銀行 ナイロビ事務所 上級民間セクター開発専門官
ウマール・セイディ 国際金融公社(IFC)東部・南部アフリカ担当局長
竹内直樹 豊田通商株式会社 執行役員
当日の資料:Activities in Africa & Kenya (PDF)
長峰裕樹 日本貿易振興機構(JETRO)企画部海外地域戦略班 アフリカ担当
当日の資料:A Japanese Perspective on Business Development in Kenya and East Africa (PDF)
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