世界銀行東京事務所では、日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所が主宰する開発スクール(IDEAS)を修了した開発分野の専門家をスピーカーに招くシリーズを開催しております。第14回のテーマは「メトロマニラの渋滞克服による大気汚染緩和と温室効果ガス削減効果」と題し、フィリピンのメトロマニラの交通インフラ開発をテーマに、環境改善貢献の評価の重要性について議論します。
都会の生活の質を向上させるために不可欠なインフラ開発は計画時に事業の採算性だけでなく、環境社会影響について事前によく検討することが持続的な開発に不可欠です。環境社会影響評価は多くの国で制度化が進みましたが、住民移転を必要としたり、環境保全地域を含んだりする事業では、関係者との合意形成が困難で事業自体が遅延、あるいは中止になることもあります。渋滞が大気汚染を年々悪化させ、温室効果ガスの増大ももたらしているメトロマニラにおいては、交通インフラ開発の遅れはますます都市の発展を阻害しています。本講演ではメトロマニラの大渋滞を軽減するための複数の交通案件を実現するロードマップを形成する際に、大気汚染や温室効果ガスの観点から環境面の貢献を評価し、プロジェクトの早期実現の下支えをしたプロセスをご報告いたします。
スピーカー
下村暢子さん
アルメックVPI 海外事業部チーフコンサルタント(アジア経済研究所開発スクール第2期修了生)
IDEAS卒業後、英国マンチェスター大学経済社会学修士課程を修了し、海外コンサルティング協会、国連ボランティア計画本部、コーエイ総合研究所をへてVPI、2013年アルメックと合併により現職。
関連リンク
アジア経済研究所開発スクール
アジア経済研究所開発スクール(Institute of Developing Economies Advanced School、略称:イデアス(IDEAS))は、経済協力・開発援助の現場において、高度な専門性を持って活躍できるエキスパートの育成を目指して、1990年に設立された研修機関。