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BRIEF2025年1月27日

アフリカにおける電力:ミッション300

概要

安価で安定した持続可能なエネルギーへのアクセスは、アフリカにおける電力の供給と経済の変革、さらには人々の開発への願望を達成するために不可欠です。それは、居住可能な地球で貧困のない世界を実現するという世界銀行の使命の根幹にあります。

人々や企業、そして経済全体で電力を使えるようにすることは、生活を改善し、病院や学校に電力を供給するだけでなく、雇用機会を創出し、投資と貿易を促進します。

ところがサブサハラ・アフリカでは、電気を利用できない人は6億人近くにのぼり、世界全体で電気を使えない人の約83%を占めています。

世界銀行グループは、アフリカ開発銀行などのパートナーとパートナーシップを結び、2030年までにサブサハラ・アフリカで3億人に電力を提供するという野心的なイニシアティブ「ミッション300」を推進しています。ミッション300は、サブサハラ・アフリカの電化を加速させるとともに、より多様でクリーンなエネルギー源への移行が需要の増大に対応し、経済成長をもたらし、雇用を創出するよう取り組んでいます。また、発電、送電、配電、地域相互接続に加え、電力供給の品質、安定性、手頃な料金を確保するためのセクター改革への投資にも力を注いでいます。

ミッション300には、パートナーシップと強い熱意が不可欠です。目標達成のためには、政府がセクター改革により一層注力し、電力会社の収益性を高めることが必要です。また、民間部門が、分散型エネルギー・ソリューション、グリッド接続型発電、送電・配電の新モデルへの投資に参加し拡大させることが求められます。さらに、オングリッドとオフグリッドの両方の電力確保に向けて、他の国際開発金融機関や慈善団体などのパートナーがより多くの公的な譲許的資金を動員する必要があります。

最新情報

  •  分散型再生可能エネルギー・アクセス拡大(DARES)プラットフォームは、世界銀行、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)、開発パートナーの協力により、民間セクターの参画を通じて、サブサハラ・アフリカにおける分散型再生可能エネルギー(DRE)へのアクセスを大幅に加速します。また、気候、食料安全保障、人的資本開発における目標も支援しています。
  • 東部・南部アフリカ地域では、持続可能なクリーン・エネルギーへのアクセス拡大加速(ASCENT)プログラムにより、地域全体で誰もがエネルギーにアクセスできる状況に向けて、今後7年間でアフリカ20カ国の1億人の生活を大きく改善するエネルギー・アクセスを提供します。数十億ドル規模のプログラムであるASCENTは、世界銀行グループの国際開発協会(IDA)、IFC、MIGAの各機関が持つ比較優位を活用し、開発パートナー、民間セクター、気候対策資金の供給者やインパクトの大きな投資機関、政府、公益事業者、エネルギー・サービス・プロバイダー、受益者コミュニティとの協力のためのプラットフォームを提供しています。
  • 西部・中央アフリカ地域では、ナイジェリアDARESが、国内で現在電力を利用できない人々1,750万人以上(人口の20%)に電力を提供するとともに、汚染物質を放出する高価なディーゼル発電機25万台以上の取換えを進めます。 チャド、リベリア、シエラレオネ、トーゴを対象とする新たな地域緊急太陽光発電支援プロジェクト(RESPITE)も、グリッド接続型再生可能エネルギーの発電量を増やすことで、数百万人の消費者への電力アクセス拡大に集中的に取り組んでいます。さらに、西アフリカ電力プール(WAPP)を支援するプログラムの下で、グリッド相互接続と地域協力を拡大する取組みによって、域内14か国でのより安価で信頼性の高い電力の供給が可能になりました。同様の取組みが現在、中部アフリカ電力プールでも順調に進められています。
  • 世界銀行のエネルギー・セクター管理支援プログラム(ESMAP)が資金を提供する技術協力ファシリティ「アフリカに電力を」は、各国による改革ロードマップの策定を支援し、事業への投資のために必要に応じて適時に技術協力を提供しています。
  • 分散型再生可能エネルギー企業に出資する新しいエクイティ・ビークル を含め、エネルギー・アクセスのための革新的な資金調達とリスク軽減ファシリティが試験的に進められています。IFCは、MIGAに設置された世界銀行グループ保証プラットフォームのチームや世界銀行とともに、保証ソリューションをエクイティ・ビークルの設計に組み込み、リスク軽減ソリューションへのアクセスを効率化してDREに民間投資を呼び込めるよう取り組んでいます。
  • エネルギー・セクター管理支援プログラム(ESMAP)や、万人のための持続可能なエネルギー(SEforALL)、ロックフェラー財団、人と地球のためのグローバル・エネルギー同盟(GEAPP)などのパートナーは協力して、アフリカの電化を支援するために官民の資金を動員しています。