世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)は、2024年11月11日から15日にかけて、東京、横浜、神戸で水辺の再開発に関する都市開発実務者向け対話型研修(テクニカルディープダイブ:TDD)を開催します。本研修には、バングラデシュ、ジャマイカ、ケニア、パラグアイ、バヌアツから、水辺開発に携わる代表団と世界銀行スタッフの計約35名が参加します。
活気あるウォーターフロントは、素晴らしい大都市や都心の特徴とされてきましたが、そのあり方は時代とともに変化してきました。かつて多くの都市においてウォーターフロントは貿易や輸送の玄関口として発展し、造船所、倉庫、重工業などの製造業や海運業を中心に、不可欠な交通回廊としての役割を果たしていました。しかし現在では、多くの都市がウォーターフロント資産の活性化と再創造の可能性を認識しつつあります。
このテクニカルディープダイブでは、日本の水辺開発の経験を活用し、水との共存や水災害への対応の歴史に焦点を当てます。日本における工業的なウォーターフロントから人間中心のウォーターフロントへの転換を検証し、都市空間を活性化させた革新的なプロジェクトに焦点を当て、こうした変化を支えた都市計画の手法についても検証します。ケーススタディとして日本の港湾都市である神戸と横浜を取り上げ、両市が経験したウォーターフロント開発や、住みやすさを高めるためのさらなる都市計画について取り上げます。
視察では、横浜市のみなとみらい21地区や鶴見川流域の新横浜公園、神戸市のメリケンパーク周辺のウォーターフロントエリア、新たに開発が進むTOTTEIエリア、兵庫運河を訪れます。このTDDは、横浜市と神戸市の経験をはじめ、トロント(カナダ)、キングストン(ジャマイカ)、シンガポール、バランキージャ(コロンビア)など、海外の事例も紹介しながら、成功したウォーターフロント開発に関する戦略的な洞察を提供することを目的としています。