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Statement 2020年4月15日

G20財務大臣に対するデイビッド・マルパス世界銀行グループ総裁の発言

ワシントン、2020年4月15日—デイビッド・マルパス世界銀行グループ総裁は本日、G20財務大臣のテレビ会議において以下の発言を行った。

「議長、ありがとうございます。

世界銀行グループは、所得水準の特に低い途上国に焦点を合わせ、迅速かつ広範な措置を講じてきた。4月末には100カ国で新型コロナウイルス感染症に関するプロジェクトを展開する予定であり、今後15カ月間に1,600億ドルを提供するための手続を進めているところである。国際復興開発銀行(IBRD)、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)に対する皆様の資金協力に感謝するとともに、早期の出資をお願いしたい。

我々の目標は次のとおりである。

  • 途上国が緊急保健プロジェクトを実施できるよう支援する。
  • 最貧困世帯を保護する。
  • 雇用と企業を守る。IFCとMIGAは、クライアントである民間企業と協力して、各社の事業や運転資金を支援している。

こうした活動はすべて、広範かつ持続可能な景気回復に要する時間を短縮するものとなる。

同じ期間を対象に、他の国際開発金融機関(MDBs)は約800億ドルの支援をコミットしているため、支援総額は2,400億ドルとなる。支援を効率的に提供し、スケールメリットを実現するため、我々はMDBsと密接に連携している。G20諸国の二国間援助プログラムや他のMDBsには、パラレル融資や協調融資を通じて世界銀行グループが実施する100件の緊急プログラムに参加し、我々が促進する医療機器や医療用品の共同調達を活用していただきたい。

我々はG20諸国がIDA諸国に対し、5月1日以降、公的二国間債務の返済を一時停止することを認めたことを大いに歓迎する。民間債権者にも同等の対応を期待したい。一方、この措置の恩恵を受ける国々は、債務返済が一時停止されたことで利用可能となった資金を新型コロナウイルス感染症対策に活用し、公的セクターへの財政援助を詳細に開示することにコミットする。世界銀行とIMFは、この措置の対象となる国々の資金需要を分析し報告すること、債務救済によって生じる財政余地の活用状況をモニタリングすることを要請されている。

これは貧困層に実質的な利益をもたらす、強力で即効性のあるイニシアティブである。

国際開発金融機関(MDBs)は、信用格付けを維持しつつ、債務返済猶予のオプションをさらに模索することを求められている。クリスタリーナ・ゲオルギエヴァIMF専務理事と私は昨日、本件及び我々が展開している協調的な支援活動について話し合うため、MDBsの総裁と会合した。すべてのMDBsの総裁が、信用力の維持という我々の要請と、新たな資金拠出がなされない限り、MDBsへの返済の一時停止は短期的には援助の前倒しを困難にし、長期的にはレバレッジ能力を低下させることにより、貧困層に不利益をもたらす恐れがあるという我々の懸念を記録することを求めた。

世界銀行とIMFは、この債務イニシアティブをあらゆる方法で支援していく。このイニシアティブは、ゲオルギエヴァIMF専務理事と私が提唱したものであり、我々は可能な限りあらゆる手段を用いて貧困層を支援していく。世界銀行は早急に、かつ極めて譲許的な条件で、大幅に増額された資金(今後15カ月間に500億ドル超)をIDA諸国に移転していく。IMFも独自の強力なイニシアティブを展開している。

今週金曜日には、多くの最貧国代表者を含む開発委員会が開催され、さまざまな支援策について協議する予定である。債務救済の取り組みを力強く牽引しているG20議長国のサウジアラビアに感謝するとともに、すべての債権者の協力に感謝する。  

今週、債務の面で大きな進展があったことは間違いない。危機的状況下で迅速な支援を提供することは、景気後退局面を支え、景気回復を強化するものと確信している。ありがとうございました。」


お問い合せ

David Theis
(202) 458-8626
dtheis@worldbankgroup.org
東京
開裕香子
+81 (3) 3597-6650
yhiraki@worldbankgroup.org
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