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プレスリリース2025年1月28日

各国首脳、アフリカのエネルギー部門変革に具体的な計画を表明―世界のパートナーが強力に支援

ダルエスサラーム、2025年1月28日 — アフリカ30カ国の国家元首や政府首脳は本日、アフリカ大陸全体における経済成長の促進、生活の質向上、雇用創出の推進に向けて、安価で安定的かつ持続可能な電力へのアクセスを拡大するための具体的な改革と行動を表明した。  

「ミッション300アフリカ・エネルギー・サミット」で承認された「ダルエスサラーム・エネルギー宣言」は、現在6億人以上が電気のない生活を送っているアフリカにおいて電力アクセスの不備を解消するための重要な節目となる。宣言で示されたコミットメントは、政府、開発金融機関、パートナー、慈善団体、民間部門の協力の下で2030年までにアフリカで3億人に電力アクセスの提供を目指すミッション300イニシアティブの根幹である。サミットでは、ミッション300のパートナーが、アフリカ全土のエネルギー・アクセス拡大を支援するために500億ドル以上の拠出を誓約した。宣言は、2月に開かれるアフリカ連合サミットに提出され、採択を待つ。

ミッション300は、エネルギー・アクセスの根本的な課題に取り組むことで、アフリカで増加する若者のための雇用アジェンダの基礎を築き、将来の開発の基盤ともなる。

チャド、コートジボワール、コンゴ民主共和国、リベリア、マダガスカル、マラウイ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、タンザニア、ザンビアの12カ国が、電力アクセスの拡大、再生可能エネルギーの利用拡大、さらなる民間資本の誘致に向けた目標を設定した詳細な国家エネルギー・コンパクトを発表した。データにもとづいたこれらの国別計画は、最高レベルで承認されたもので、安価な発電、接続の拡大、地域統合に期限を定めて取り組んでいく。その目標は、公益事業の効率性向上と、汚染物質を放出しない調理器具の普及推進にあり、衛星とデジタル地図技術を活用して、サービスが行き届かない地域への電力供給のための最も費用対効果の高いソリューションを特定する。

タンザニア共和国のサミア・スルフ・ハッサン大統領は、「タンザニアは歴史的価値のある本サミットを主催できて光栄に思う。生活と経済を大きく改善する電力とクリーンな調理ソリューションの提供という市民への約束を、リーダーとしていかに果たすことができるかを議論できた」と述べた。

国家エネルギー・コンパクトの実施には、政治的な意思、長期的なビジョン、そしてミッション300のパートナーの全面的な支援が求められる。各国政府はそのために包括的な改革を進めており、さらなる譲許的融資の確保に加え、民間セクターの投資拡大に向けた慈善団体や開発金融機関との戦略的パートナーシップ構築を進めている。

「電力アクセスは基本的人権であり、それなしには、国も人々も繁栄は望めない」と、アジェイ・バンガ世界銀行グループ総裁は述べた。「アフリカに暮らす6億人のうち電力アクセスを持たない3億人に電力を供給するという我々の使命は、重要な第一歩となる。実現のためには「誰も単独では成し遂げられない」というシンプルな真実を受け入れる必要がある。政府、企業、慈善団体、開発金融機関にはそれぞれ果たすべき役割があり、協力を通じてのみ目標を達成することが可能になる」

アフリカ開発銀行グループ総裁のアキンウミ・A・アデシナ博士は、アフリカ大陸全体における電化加速のために断固たる行動が必要であると強調した。「再生可能エネルギーの比率拡大、公共事業の業績改善、許認可と電力購入契約の透明性確保、生産コストを反映したわかりやすい料金体系の確立に向けて、重要な改革が必要になるだろう。我々が共同で進める取組みにより、国家元首および政府首脳の皆様方が、各国で電力部門のビジョン実現に向けて国主導の明確な国家エネルギー・コンパクトを策定・実施できるよう支援していく」

サミットでは、パートナーが次の通り一連の拠出を誓約した。

  • アフリカ開発銀行グループと世界銀行グループ:2030年までにミッション300に480億ドルの資金を配分する計画だが、金額は実施ニーズ次第で変更となる可能性がある
  • フランス開発庁(AFD):アフリカにおけるエネルギー・アクセスの支援に10億ユーロを拠出
  • アジア・インフラ投資銀行(AIIB):ミッション300の支援に10億~15億ドルを拠出
  • イスラム開発銀行(IsDB)グループ:2025~30年にかけてミッション300とアフリカにおけるエネルギー・アクセスの支援に26億5,000万ドルを拠出
  • OPEC基金:ミッション300とアフリカのエネルギー・アクセスの支援に10億ドルを拠出

世界銀行グループとアフリカ開発銀行グループは、再生可能エネルギーのミニグリッドや家庭用太陽光発電システムなど、民間主導のソリューションを支援する投資会社ザフィリを立ち上げた。ザフィリのアンカーパートナーは、第1フェーズで最大3億ドルを投資し、アフリカの根強い資金不足に対処するために最大10億ドルを動員する。

サミットにおける各国政府とパートナーによる確たるコミットメントは、ミッション300のパートナーシップが持つ類をみない強みを示している。政府による改革、さらなる資金、官民パートナーシップを組み合わせることにより、アフリカ諸国が計画を実行に移し、数百万人に目に見える利益をもたらすことができることである。

「ミッション300アフリカ・エネルギー・サミット」は、タンザニア連合共和国、アフリカ連合、アフリカ開発銀行グループ(AfDB)、世界銀行グループ(WBG)が主催し、ロックフェラー財団、エネルギー・セクター管理支援プログラム(ESMAP)、人と地球のための世界エネルギー同盟(GEAPP)、万人のための持続可能なエネルギー(SEforALL)、アフリカ持続可能エネルギー基金の支援を受けている。

 

ミッション300の詳細 https://www.worldbank.org/en/programs/energizing-africa

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お問い合せ

ダルエスサラーム(世界銀行グループ):
Daniella van Leggelo-Padilla
東京:
開裕香子
+81 (3) 3597 6650

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