2024年11月12日、バクー発—世界銀行グループは、災害からの復興に苦闘する国々に対する支援を拡大し、小規模で脆弱な国家が大災害の被害を受けた後に融資と利子の返済を延期できるようにする。これにより、政府は債務返済よりも復興に専念できるようになる。
I各国からのフィードバックに応える形で、今後、世界銀行の「気候変動に対する強靭性を取り入れた借入条項(CRDC)」は、干ばつ、洪水、パンデミックのような保健に関する緊急事態を含むあらゆる自然災害を対象とする。以前は、熱帯サイクロンと地震の2種類の自然災害がCRDCの対象となっており、対象国は国際復興開発銀行(IBRD)および国際開発協会(IDA)融資の元本と利息の両方または片方の返済を最長2年間猶予することができた。
「対象を広範な災害に拡大することで、脆弱な国々がより有意義な支援を迅速に受けられるように支援していく。危機に際しては、リーダーには頼りがいのある信頼できるパートナーが必要であり、世界銀行はそのパートナーになりたいと考えている」と、バクーで開催された2024年国連気候変動会議(COP29)で発表を行ったアジェイ・バンガ世界銀行グループ総裁は述べた。
これまでに、CRDCの対象となる45カ国のうち14カ国が、この条項を融資契約に盛り込んでいる。ハリケーン「ベリル」の後、セントビンセント及びグレナディーン諸島が繰り延べオプションを行使した。借入国には一切費用がかからず、CRDCの提供に関連する手数料は、譲許的資金から回収される。
この条項は、多数の自然災害に直面する国々にとってより適切なものとなるだけでなく、大惨事が発生した場合に返済延期を申請する手続きも簡素化される。
CRDCは、自然災害による被害に対処する各国が利用できる世界銀行の危機対応ツールキットの一部で、緊急対応業務への資金再配分策も含まれる。