G20「飢餓と貧困に対するグローバル・アライアンス」との意欲的な連携強化により少なくとも5億人を支援
リオデジャネイロ(ブラジル)、2024年7月24 日 – 世界銀行グループは本日、深刻な貧困と飢餓への対応、脆弱層の収入拡大、気候ショックに対する強靭性強化、女性と女児のエンパワーメント促進に向けた包括的な支援パッケージを発表した。
具体的な内容は以下の通りである。
- 意欲的な社会的保護プログラムの拡大計画の下、パートナーと協力して、2030年までに途上国で少なくとも5億人を支援し、その半数を女性と女児とする。目標達成のために、汚職や浪費を防ぎつつ、革新的な現金給付システムを活用して貧困層が直接資金を受け取れるようにする。
- 世界銀行グループは、ブラジル G20議長国が設立を主導する 「飢餓と貧困に対するグローバル・アライアンス 」のリード・ナレッジ・パートナーを務める。この取組みの下、ブラジルと協力し、飢餓に対するソリューションを見い出し、すべての国に資する知見共有を行う。
- 国別の飢餓、貧困、社会的保護の支援対象範囲に関する知見を提供する新しい診断法により、各国政府が情報に基づいた意思決定を可能にする。
「簡潔に言うと、飢餓と貧困は連関している。我々はその両方と闘い、世界から根絶するために全力で取り組む必要がある」と、アジェイ・バンガ世界銀行グループ総裁は述べた。「世界銀行グループの社会的保護プログラムは、日々の食事の確保と生計保護とともに、貧困世帯でも基本的な医療保健サービスや子供の教育にお金を払えるよう支援することを目指している。目標を達成するには、各国とグローバル・アライアンスなどのパートナーとの緊密な協力を促進して知識を共有し、資金調達を促進する必要がある」
取組みの一環として、世界銀行グループで最貧困層を支援する国際開発協会(IDA)は、飢餓と貧困を削減する各国の政策に資金を用意する。IDAはすでに、貧困と飢餓との闘いのためのグラントと譲許的融資の主要な供給源である。
国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(UNICEF)、世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)が本日発表したデータによると、世界中で7億人以上が飢餓に直面している。世界銀行グループは引き続き、貧困世帯が適正な生活を送り、悲惨な貧困と飢餓を克服するのに役立つと証明されている各種の社会的保護プログラムを組み合わせて、国ごとの独自のニーズに基づいた支援を行っていく。具体的には、基本所得の支援に加え、シード資金、貯蓄とトレーニング、コーチング、メンタリングへのアクセスなどがある。また、最新のエビデンスに基づき、気候変動の悪影響に対応し、ジェンダーの平等を推進するためのツールとして社会的保護を活用する。エビデンスに基づいたソリューションの共有については、世界銀行ナレッジ・アカデミーが各国と緊密に連携する。