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プレスリリース2023年11月17日

世界銀行、10GWのクリーン水素イニシアティブを提案:低炭素エネルギーの導入加速へ

ワシントン、2023年11月17日—世界銀行と国際的なパートナーは、気候変動対策と開発途上国におけるエネルギー・アクセス強化のため、低炭素エネルギー・キャリアであるクリーン水素の世界的普及を加速させる行動アジェンダの実施を呼びかけている。同計画には、再生可能エネルギー利用による世界の水素生産量を現在の10倍に拡大する10GWの水素生産イニシアティブの立上げが含まれており、そのために新興国・途上国において、初期段階にあるクリーン水素産業の実現可能性の実証、資金調達コストの削減、拡張可能なソリューション開発による導入促進を図る優先プロジェクトを開発する。

行動計画には4つの柱があり、世界銀行のエネルギー・セクター管理支援プログラム(ESMAP.org)が、パートナーである経済協力開発機構(OECD:oecd.org)、グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF:globalinfrafacility.org)、水素協議会(hydrogencouncil.com)と共同で代表執筆した新報告書「開発のための水素ファイナンス拡大」の中で示されている。

クリーン水素は、再生可能エネルギー由来の電力、または炭素回収技術を用いた化石燃料由来の電力を利用して作られたものをいう。

「クリーン水素は、汚染を引き起こす燃料から低炭素・無炭素のエネルギーへの世界的移行において重要な役割を果たすことができ、2030年までに安定的かつ安価なエネルギー・アクセスの普及を実現するという持続可能な開発目標7(SDG7)の達成に貢献する」と、グアン・チェン世界銀行インフラストラクチャー担当副総裁は述べた。「そのためには、クリーン水素の生産コストと資金調達コストの引下げにより商業的競争力を高め、投資家の関心を高め、普及を促進することが極めて重要である」

水素は、エネルギーの貯蔵、運搬、供給に利用できるエネルギー・キャリアであり、クリーンなエネルギー源から生産されれば、鉄鋼生産や長距離輸送など、脱炭素化が困難なセクターで特に有望である。ただし現在、クリーン水素の世界的生産量は水素生産量全体の2%未満に留まっている。新興国・途上国におけるプロジェクトが、最終的な買い手や、リスク削減のため価格が事前合意されたオフテイク契約の不確実性、政治・規制上の予測の難しさなど、実際のリスクと認知されるリスクのために高い資金調達コストに直面しているからだ。

「対策として、世界銀行は、プロジェクト・リスク軽減と需要拡大政策の推進を図る融資メカニズムを設計することで、コスト削減を支援している。今年はすでに16億5,000万ドルの再生可能水素融資を承認しており、今後も増える予定である」と、デメトリオス・パパサナシオウ世界銀行エネルギー・採掘産業グローバルプラクティス担当グローバル・ディレクターは述べた。「クリーン水素の生産にいち早く乗り出すことは新興市場にとって有益である。国際的なバリューチェーンが強化されるだけでなく、社会経済開発にも大きな利益をもたらし、各国のエネルギー安全保障が向上する」 

4つの柱で構成される行動計画の要点

  • 10 GWイニシアティブ:生産量10 MWから1 GWの複数のライトハウス・プロジェクトで構成。
  • キャパシティ・ビルディングと知識の共有:デジタル・ハブやマッチメイキング・プラットフォーム等の各種ツールを活用し、あまり注目されてこなかったクリーン水素プロジェクトの採用を促進。
  • 国際的な調整とコンセンサス:国際基準の策定と市場育成が目標。その一環として、クリーン水素の将来に決定的役割を果たす透明な水素価格設定システムを確立し、国際的な買い手のリスクを軽減し取引コストを削減。
  • 政策と制度的枠組み:水素産業を競争力のある市場に成長させ、パリ協定の要件を満たすための支援への需要が高まる中、プロジェクト開発を加速。その一環として、技術協力に関する情報交換のために世界規模のデジタル・プラットフォームを推進し、クリーン水素の生産と利用の促進に向けた技術協力の財源を拡充。

ESMAPについて

ESMAP世界銀行24のパートナーによるパートナーシップとして、持続可能なエネルギー・ソリューションを通じて低・中所得国の貧困削減と成長の促進を支援している。ESMAPは、エネルギーに特化した世界銀行の信託基金として最も歴史が長く、かつ最大であり、その分析とアドバイザリー・サービスは、世界銀行によるエネルギー・セクターでの国別融資や政策対話に全面的に組み込まれている。ESMAPは世界銀行グループ(WBG)を通じて、安定的で安価かつ持続可能な近代的エネルギーへのアクセスの完全普及を目指す持続可能な開発目標7(SDG7)の達成に向け、エネルギー移行の加速を図ると共に、WBG気候変動行動計画(CCAP)の目標達成に向けたWBGの戦略やプログラムの策定にも貢献している。

編集者への注記

  • 報告書の「主な結果」と「エグゼクティブ・サマリー」は、11月17日より、報告書全文は12月初旬に以下からダウンロード可能: https://www.esmap.org/Hydrogen_Financing_for_Development
  • 世界銀行幹部や専門家へのインタビュー申し込み:Hannfried von Hindenburg(連絡先は上記)
  • 11月17日(金)米国東部標準時午前9時/グリニッジ標準時午後2時/日本時間午後11時に開催の発表イベントへの参加登録: https://ow.ly/rMGQ50Q82Wr.

ウェブサイト: www.esmap.org/

LinkedIn: https://www.linkedin.com/company/esmap-energy-sector-management-assistance-program/

YouTube: https://www.youtube.com/@esmap_knowledge

プレスリリース番号: 2024/030/EEX

お問い合せ

ワシントン
Hannfried von Hindenburg
Communications Lead ESMAP (interim)
+1 (202) 123-4567
映像関係
David W. Young
+1 (202) 473-4691
東京
開裕香子
+81 (3) 3597 6650

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