ワシントン、2023年5月3日 – 世界銀行理事会は本日、世界銀行の次期総裁としてアジェイ・バンガ氏を選出した。 任期は 2023年6月2日から5年間となる。
バンガ氏は以前、従業員2万4,000人を擁するグローバル企業マスターカードの社長兼最高経営責任者(CEO)として、公正かつ持続可能な経済成長と金融包摂を世界的に推進する包摂的成長センターの立上げにリーダーシップを発揮した。また、2020~22年に国際商工会議所の会長を務めた後、名誉会長に就任した。米投資会社ジェネラル・アトランティックの気候変動対策ファンドであるビヨンド・ネットゼロの顧問を、2021年の創業時から務めた。また、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスで恵まれない人々のために経済的機会の創出を図る民間団体の連合体「中米パートナーシップ」の共同議長を務めた。アメリカ赤十字社、クラフトフーズ、ダウの役員も歴任している。
さらに「サイバー対策研究所」の共同創設者でもあり、ニューヨーク・エコノミック・クラブの副議長も務めた。2012年に外交政策協会からメダルを、2016年にインド大統領からパドマ・シュリー勲章を、2019年にはエリス島名誉勲章および国際理解ビジネス協議会のグローバル・リーダーシップ賞を、2021年にシンガポール政府より国家勲章であるパブリック・サービス・スターを授与された。
世界銀行理事会は、2011年に出資国間で合意された選考プロセスに沿って、今回の選出に至った。同プロセスは、功績を重視し制限を設けない透明な推薦を旨とし、世界銀行加盟国の国民であれば誰でも理事、または理事経由で総務により推薦が可能である。推薦を受けたバンガ氏については、徹底したデュー・ディリジェンスに加え、理事による網羅的な面接が行われた。
理事会は、2023年4月の春季会合で議論された世界銀行グループの包括的見直し作業、および途上国が直面する極めて困難な開発課題に対する世界銀行グループの意欲的取り組みを、バンガ氏と共に進めて行くことを期待している。
世界銀行グループ総裁は、国際復興開発銀行(IBRD)の理事会議長を兼務すると共に、職権上、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)、国際投資紛争解決センター(ICSID)の理事会議長を務める。