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ワシントン、2023年2月3日 — パンデミック基金理事会は、途上国が将来のパンデミックへの予防、備え及び対応(PPR)を強化できるよう第1回目の資金として3億ドルの提供を承認した。同基金はまた、関心のある適格国と実施機関から、今回提供の資金を活用することになるプロジェクトへの関心表明書(EOI)を募集中である。
初回資金ラウンドの対象となるのは、総合的な疾病監視調査、早期警戒態勢、研究所システムの強化や、人材/公衆衛生従事者のキャパシティ・ビルディングに優先的に取り組むプロジェクトである。これは、国際保健規則(IHR2005)など、国際的に認められた法的枠組みの順守に加え、ワンヘルス・アプローチとの一貫性を重視して決められたものである。
関心表明書により、各国やパートナー間で期待される協力関係の構築や、関心やニーズのより適切な評価が可能になる。選考プロセスの最後に、3月に提出予定の正式なプロポーザルの審査が行われる。
「パンデミック基金が、保健への将来の世界的脅威に対する国・地域レベルでの強靭性強化に向けて、最初の資金提供ラウンドまで遅滞なく進んできたことを喜ばしく思う。」とマルパス世界銀行総裁は述べた。「同基金は、既存の国際機関からの投資や技術支援を補強すると共に、各国がパンデミックに対する予防、備え及び対応(PPR)の機能強化に向けた自らの取組みに一層注力するよう奨励するという重要な役割をになう。」
パンデミック基金は、ドナー国政府、共同投資国、財団、市民社会組織、国際機関の協力によるパートナーシップであり、要件を満たした低・中所得国に不可欠なPPRのために投資と技術的支援を通じて専用の長期的な追加資金の流れを確保するため、昨年発足した。同基金の実施機関は現在、国際開発金融機関(MDBs)、国連機関、グローバル・ヘルス専門機関が務めている。
「複合的な世界規模の課題や伯仲する優先課題が山積する中、パンデミック基金はグローバル・ヘルスのための資金として大いなるイノベーションであり、低・中所得国のパンデミックPPRへの投資に専念することを可能にしてくれる。」と、パンデミック基金理事会のチャティブ・バスリ議長は述べた。「とても良い形でスタートを切ることができたが、資金ニーズは膨大であり、今後数カ月間にさらなる拠出を期待したい。その間にも、最大のインパクトをもたらす形で手持ちの資金を役立てていく。」
パンデミック基金は、コロナや将来的なパンデミックへのPPR強化のために特に差し迫って投資が必要な分野に資金を配分し、国、地域、グローバルの各レベルにおける主たる機能の不足を補う。目標は、受益国が大きな発言権を持つインパクトの大きなプロジェクトを呼び込み、追加の外部資金を動員し、各国によるPPRへの優先的な投資を促し、パートナー間での協力・協調を促進することにある。
実施機関は、パンデミック基金の理念に基づき、プロジェクトに多大な協調融資を提供し、パンデミック基金のグラント資金を使ってほかの財源からさらなるプロジェクト資金を動員することが奨励されている。
「パンデミック基金は、低・中所得国が世界規模の疾病大流行に効果的な予防、察知、対応を図れるよう支援する強い決意である。」と、パンデミック基金事務局のプリヤ・バス理事長は述べた。「約束を果たせるよう迅速に取り組みつつ、きちんとした業務遂行の徹底も重視している。初回の資金ラウンドは、本基金のコンセプトを証明するものであり、初回から教訓を得て次回以降に生かせるようにするつもりだ。」
理事会はまた、成果枠組みについても承認を行った。世界保健機関(WHO)が議長を務め、21の様々な分野の専門家をメンバーとして新たに立ち上げられた技術的助言パネル(TAP)が、個々の正式なプロポーザルの評価を踏まえ、分析と科学的根拠に基づいた提言を示すことで、資金の配分について理事会に助言を行っていく。
関心のある国と実施機関による関心表明書(EOI)の提出期限は2023年2月24日と設定されている。提出要件、プロセス、スケジュールなどその後の詳細と、評価プロセス、資金プロポーザルにおいて満たすべき基準は、パンデミック基金のウェブサイト(www.worldbank.org/pandemicfund)で発表される。
詳細は以下のウェブサイトを参照のこと:www.worldbank.org/pandemicfund