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プレスリリース2022年12月20日

世界銀行、ウクライナの緊急支援に 総額6億1,000万ドルの資金パッケージを承認

基本的サービス継続のための追加資金と保健医療サービス支援の新規プロジェクトを含む

ワシントン、2022年12月20日—世界銀行グループは本日、戦争の続くウクライナの救援・復興を加速させるプロジェクトを含む新たな資金パッケージを発表した。世界銀行が国際復興開発銀行(IBRD)の貸出として、ウクライナ行政機能のための公共支出支援(PEACE)プロジェクトの下で新たに動員し、全額を英国政府が保証する5億ドルを提供する。世界銀行はまた、保健医療へのアクセスを再建・改善し、戦争により生じた保健サービスへの新たな差し迫ったニーズに対応する新規プロジェクトを通じてウクライナを支援する。

「ロシアによるウクライナ侵攻は、依然として壊滅的な経済的・人的被害をもたらしており、保健セクターや重要なエネルギー・インフラ、交通網を大きく損なっている。」とマルパス世界銀行総裁は述べた。「本資金パッケージへのパートナー各国による支援を歓迎する。世界銀行は戦争が始まって以来、ウクライナ国民のための緊急支援として、ドナーからの誓約額とプレッジ額を含め180億ドルを動員しており、内150億ドルが実行済みである。」

IBRDがPEACEプロジェクトの下で新たに動員された5億ドルの貸出は、ウクライナ政府による子供や家族への給付金、公務員の賃金支払い、公共事業関連の支出に充てられる。こうした基礎的公共サービスの維持は、人的資本の損失抑制と、戦後の国と経済の再建に不可欠である。我々の推定では、ウクライナでこれまでにPEACEプロジェクトの恩恵を受けた人は1,200万人に上る。

保健拡充・救命(HEALウクライナ)プロジェクトは、プライマリ・ヘルスケアの改善・強化、戦争を受けての精神衛生とリハビリテーション・サービスの需要拡大への対応、医療逼迫に直面する医療機関におけるサービスの再建・強化、主要な保健機関のキャパシティ・ビルディングを目指している。同プロジェクトの当初の資金には、スペイン政府の保証が付いた1億ユーロのIBRD貸出と、女性・子供・若者のためのグローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)からのグラント1,000万ドルが含まれる。さらに、ウクライナ復旧・復興支援基金(URTF)からのグラント1,000万ドルをはじめ、総額5億ドルの追加資金の提供が見込まれている。

2022年12月6日現在、公的医療機関の5.5%に相当する507の保健医療施設が破壊または損壊されている。保健サービスの利用も、戦争が始まって数カ月間に急激に落ち込んだ。2022年3月には、子供の予防接種件数が前年比で40%減少し、その後持ち直していない。2022年9月、ウクライナに住む人の内、必要な医薬品を買う余裕がないと訴えた人は3分の1近くに上った。さらに、戦争は国民の精神衛生に直接的な悪影響を与えていると同時に、ジェンダーに基づく暴力を含め、女性に偏って以前から存在した問題を悪化させている。戦争関連の負傷のため、リハビリテーション・サービスの需要が大幅に増えている。

PEACEプロジェクトの下ではこれまでも、2022年6月の投資プロジェクト融資(IPF)14億9,000万ドル、同8月承認のグラント45億ドル、同9月の融資保証5億3,000万ドル、同11月承認の追加のグラント45億ドル等、複数のパッケージが発表されている。世界銀行グループがウクライナのために動員した資金の一覧はこちら

プレスリリース番号: 2023/ECA/53

お問い合せ

ワシントン:
David Theis
+1 (202) 458-8626
東京:
開裕香子
+81 (3) 3597 6650

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