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プレスリリース2022年5月24日

カーボン・プライシングの収入、世界全体で過去最高の840億ドルに

昨年は60%の伸び、と世界銀行報告書最新版

ワシントン、2022年5月24日2021年、カーボン・プライシング収入は世界全体で2020年水準から60%近く増えて約840億ドルになり、持続可能な経済回復、広範な財政改革、将来の低炭素移行の一環としての地域社会への投資にとって重要な資金源となっている、と世界銀行は本日発表した年に1度の「カーボン・プライシングの状況と傾向(State and Trends of Carbon Pricing)」最新版で指摘する。

世界のカーボン・プライシングの最新の動向をまとめた同報告書は、現在カーボン・プライシングとして36件の炭素税と32件の排出量取引制度(ETS)の合計68件の直接的手法が導入されているとしている。報告書2021年版の発表後に、ウルグアイで1件と北米で3件(オンタリオ、オレゴン、ニューブルンズウィック)の計4件の手法が新たに導入された。また、イスラエル、マレーシア、ボツワナが新しいカーボン・プライシング政策の計画を発表している。

炭素価格は、欧州連合、カリフォルニア、ニュージーランド、韓国、スイス、カナダなど多くの管区で過去最高の水準に達している。ただし、パリ協定の目指す気温上昇抑制目標を満たすために2030年までに必要なレベルで直接的なカーボン・プライシング手法が適用されているのは、世界の排出量全体の4%未満にすぎないと報告書は指摘する。

「昨年は、収入の大幅増によりコミュニティや低炭素経済への移行支援への原資が拡大するなど、いくつかの極めて明るい兆しがみられた。また、カーボン・プライシング関連の国境を超えた問題の解決に向けて大きな進捗がみられると共に、グラスゴーで開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)にて国際炭素市場の新たなルール が採択されたことで一段と明確な政策の方向性が定まった。」と、世界銀行のバーニス・ファン・ブロンクホルスト気候変動グローバルプラクティス・ディレクターは述べた。「今こそ、この機運を生かし、包摂的な炭素化支援におけるカーボン・プライシングの可能性を十分に発揮させるため価格水準と対象範囲を共に大きく拡大することが重要である。」

報告書最新版では主なトピックとして、カーボン・プライシングへの国境を超えたアプローチ、エネルギー価格上昇のもたらす課題と機会、炭素市場を形成する新たなテクノロジーとガバナンス枠組みが取り上げられている。

報告書は、気候変動対策の資金、投資、市場に関する世界銀行グループの主要な年次イベントとして今年はオンライン開催となった5月24~26日の革新的気候変動対策(Innovate4Climate)にて発表された。第6回目となった今年のイベントには、各国政府、ビジネス界、政策当局、財界からリーダーが集まり、革新的な気候変動対策資金のあり方について議論が行われる。

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世界の現行及び新しいカーボン・プライシング・イニシアティブに関する最新情報をまとめたカーボン・プライシング・ダッシュボード: 
https://carbonpricingdashboard.worldbank.org/

プレスリリース番号: 2022/065/CCG

お問い合せ

ワシントン:
Ferzina Banaji
+1 (202) 372-5885
映像関係:
David W. Young
+1 (202) 473-4691
東京:
開裕香子
+81(3) 3597-6650

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