2021年9月30日 東京―世界銀行(正式名称: 国際復興開発銀行(IBRD)、ムーディーズ: Aaa、スタンダード&プアーズ: AAA)はこの度、期間15年の総額2億7,400万豪ドル及び総額2億4,100万ニュージーランド・ドル建てのグリーンボンドを発行しました。
2021年11月に開催予定の国連気候変動枠組条約第26 回締約国会議(COP26)に向け気候変動問題への対処に機運が高まる中、今回のグリーンボンドには、開発途上国の気候変動対策プロジェクト並びに気候変動対策資金を提供する国際開発金融機関の役割の重要性に賛同した複数の日本の生命保険会社が投資しました。本件は、日本の生命保険会社が一堂に会し、気候変動への緊急対応の必要性を喚起すべく支援を表明した初の共同投資であり、第一生命保険株式会社、富国生命保険相互会社、日本生命保険相互会社、住友生命保険相互会社にご参加頂きました。(社名アルファベット順)
引受証券会社はシティグループ・グローバル・マーケッツ・リミテッド、本債券の取扱証券会社にはシティグループ証券株式会社が指名されました。
「世界銀行は開発途上国の気候変動対策を支援する一機関として、最大規模の資金を提供しています。世界銀行の加盟国は、温室効果ガス排出削減及び環境に配慮した回復力のある経済とコミュニティーの構築に取り組んでおり、その支援に必要な資金を加盟国へ繋げる上で投資家の皆様 は大変重要な存在です。今回の共同でのご投資を通じ、日本の生命保険会社の皆様より開発途上国の気候変動対策をご支援いただいたことに大変感謝申し上げます。」と世界銀行 ジンドン・ファ財務担当副総裁兼トレジャラーは述べました。
第一生命保険株式会社 重本和之執行役員 投資本部長は次のように述べました。「第一生命保険株式会社は、お客さまからお預かりした資金を幅広い資産で運用する「ユニバーサル・オーナー」として、ESG投資を資産運用の柱として位置づけ、運用収益の獲得と社会課題解決の両立を目指しています。今回その一環として、世界銀行の開発途上国における低炭素社会への移行を後押しする取組みに賛同し本債券への投資を実施致しました。当社は引き続き、運用手法の高度化・多様化によって資産運用収益の向上を図るとともに、責任ある機関投資家として持続可能な社会の形成に寄与すべく、ESG 投資に積極的に取り組んでいきます。」
富国生命保険相互会社 渡部毅彦取締役常務執行役員は次のように述べました。「これまで富国生命では、気候変動を含む社会の持続可能性に影響を及ぼす様々な課題に対する問題意識を持ってESG投資の拡充に努めてまいりました。当社は、公共性の高い生命保険事業を営む相互会社として、“THE MUTUAL”というコンセプトのもと、真の“相互扶助”を体現する組織であることを目指しています。今回のグリーンボンドへの投資は、発展途上国の気候変動対策を支援する世界銀行の取組みに賛同し、収益性の確保のみならず当社の経営理念の一つである「社会への貢献」も実践しうる手法であると位置づけています。」
日本生命保険相互会社 大澤晶子取締役執行役員は次のように述べました。「気候変動への対応は地球規模の喫緊の課題であり、COP26を前に気候変動対策実施に向けた国際的な機運が高まっています。世界銀行が発行する当債券への投資を通じ、当社ポートフォリオの収益力向上とともに、先進国による発展途上国への気候変動対策支援に貢献できることを光栄に感じます。当社は、創業以来取り組んできた収益性、安全性、公共性に配慮した資産運用を、ESGの観点も踏まえ、中長期的な観点からさらに高度化していきます。こうした、日本生命らしいESG投融資を推進し、ご契約者利益の一層の拡大に努めるとともに、持続可能な社会の形成に貢献してまいります。」
住友生命保険相互会社 松本巌執行役常務は次のように述べました。「世界中の人々にとって喫緊の課題である気候変動対策を推進する世界銀行の取組みに賛同し、当社は本債券への投資を決定いたしました。温室効果ガス排出量の削減は国境を越えて取り組むべき重要な課題であり、本件への投資を通じて発展途上国における脱炭素社会への移行や環境に配慮したプロジェクトを後押しすることを期待しております。住友生命は今後も責任ある機関投資家として、持続可能な社会の実現に貢献していくとともに、運用収益の向上に取り組んでいきます。」
シティグループ証券 松本圭太市場営業本部長は次のように述べました。「COP26を前に気候変動対策への国際的な機運が高まっている中での世界銀行のグリーンボンドへの本邦機関投資家による協働投資は、日本の官民セクターによる開発途上国支援を更に後押しするものと確信しています。シティグループは低炭素経済への移行を目的とした環境ファイナンスを2030年までに5000億米ドル実施することをコミットしており、今後も世界銀行や本邦機関投資家などの重要なステークホルダーと連携し環境ファイナンスを推進して参ります。」
世界銀行は、2008年に初のグリーンボンドを発行して以降、総額160億米ドル相当のグリーンボンドを185銘柄、23の通貨で発行しています。世界銀行のグリーンボンドは、開発途上国の低炭素化と気候変動に対する強靭性を高めるための特定の基準を満たす開発プロジェクトへの融資資金として活用され、気候変動の進行の「緩和」または気候変動の影響に対して人々が「適応」できるよう支援しています。世界銀行のグリーンボンドの対象となるプロジェクトには、再生可能エネルギーの導入、エネルギー効率化、廃棄物処理や農業への温室効果ガス排出を削減する新技術の導入等、低炭素社会への移行を進めるための取組みが含まれています。同じく対象となる森林管理や河川流域管理などのプロジェクトでは、温暖化により増発する洪水の被害を抑え、災害に対する備えを強化しています。環境と社会の両方に成果をもたらすよう設計されたプロジェクトを支える世界銀行サステナブル・ディベロップメント・ボンドもまた、2021年6月発表した「世界銀行 気候変動行動計画」に沿い、支援対象国の温室効果ガス排出削減、気候変動への適応力や強靭性を高めるための支援に重要な役割を担っています。
発行概要
世界銀行( 国際復興開発銀行:IBRD) | ||
格付け: | ムーディーズ: Aaa、スタンダード&プアーズ: AAA | |
発行額: | 2億7,400万豪ドル | 2億4,100万ニュージーランド・ドル |
決済日: | 2021年9月30日 | 2021年9月30日 |
償還日: | 2036年9月30日 | 2036年9月30日 |
発行価格: | 100% | 100% |
発行単位: | 1,000,000豪ドル | 1,000,000ニュージーランド・ドル |
金利: | 1.78 % (年率) | 2.41% (年率) |
上場: | 無し | 無し |
ISIN: | XS2390290786 | XS2390291750 |
決済機関: | ユーロクリア/クリアストリーム | |
引受会社: | シティグループ・グローバル・マーケッツ・リミテッド |
世界銀行グリーンボンド及びインパクトレポートについて詳しくはこちらをご覧ください。https://treasury.worldbank.org/ja/about/unit/treasury/ibrd/ibrd-green-bonds
世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行)について
世界銀行(国際復興開発銀行、通称IBRD: International Bank for Reconstruction and Development)は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在189の加盟国が出資し運営しています。極度の貧困の撲滅と繁栄の共有促進という目標の達成と持続可能な開発目標(SDGs)を支援するために、IBRDは中所得国及び信用力のある低所得国に対し、融資・保証、リスク管理サービスに加え、開発に関わる様々な分野の専門的な分析・助言サービスを提供しています。また、地域及び世界規模の開発課題への取組みを主導する役割も果たしています。世界銀行は持続可能な開発プロジェクト及びプログラムへの融資資金を調達するために、70年以上にわたり国際資本市場で債券(世銀債)を発行しています。詳しくは世界銀行財務局ウェブサイトをご覧ください。
世銀債は、開発プロジェクトやプログラムへの融資を通じて持続可能な開発目標(SDGs)の達成を促進しています。世界銀行グリーンボンドは、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則と整合しています。詳しくは世界銀行グリーンボンドフレームワーク(英語)にも掲載されています。世界銀行は、ICMAによるグリーンボンドおよびソーシャルボンド原則の執行委員会のメンバーでもあります。世界銀行は、持続可能な開発において民間セクターの資金の重要性を促進するために投資家との戦略的パートナーシップを構築することを資本市場における重要な優先事項としています。世界銀行のインパクトレポートは、グリーンボンド及びサステナブル・ディベロップメント・ボンドの両方に関する報告書で、世界銀行がどのように投資家と関わりながら持続可能な開発目標(SDGs)や特定の開発課題に対する人々の認識を高めているかについて説明しています。
ディスクレーマー
本世銀債の発行により調達した資金は、特定のプロジェクトやプログラムへの融資に「直接」割り当てられることはありません。世銀債の元利金の支払いは、世界銀行の信用力に基づき行われるため、投資家は個々の融資プロジェクトやプログラムのリスクを負う事はありません。
本プレスリリースは、世界銀行債券の購入の勧誘もしくは販売を目的とするものではありません。世界銀行債券の販売は、販売を担当する金融機関より交付される販売説明書等に基づき行われます。世界銀行債券の購入の勧誘は、単独または複数の国の法律に準拠して行われており、関係する全ての法律が遵守されない場合は、購入の勧誘もしくは販売を行うことはできません。
本プレスリリースで掲載される世界銀行グリーンボンドフレームワーク・世界銀行インパクトレポート・その他の情報は、公式な勧誘資料とは独立したものです。