アビジャン、2021年7月15日―アフリカ13カ国の首脳が参加した、アビジャンでの会議が本日終了した。これに伴い参加国首脳は、新型コロナウイルス感染症からの経済回復の加速、人的資本への投資の拡大、及び雇用創出のための取組みの強化に注力するとの強い決意を表明するとともに、こうした取組みへの支援の一環として、世界銀行グループの一員である国際開発協会（IDA）の第20次増資が意欲的なものになることが望ましいと述べた。
参加国首脳は採択した共同声明のなかで、経済回復、雇用創出、及びワクチンへのアクセスの拡大を含む人的資本への投資が、パンデミックのショックからの回復と極度の貧困からの脱却、より強靭かつ包摂的な未来の構築に尽力する国民への支援で不可欠だと強調した。
「IDA適格国74カ国の各種プロジェクトを支える向こう3年間の政策・資金パッケージは、今週アビジャンで始まる増資のためのプロセスを経て今年末に合意に至る予定だ。IDA第20次増資は、期間3年間・最低でも1,000億ドルの動員を目標としており、これが実現すればIDA史上最大の支援額となる。これは、全ての人々に利益をもたらすには国際協調が実質上不可欠であり、またパンデミック以前の所得収斂の軌道に回帰しより安全で豊かな世界を実現するために、我々が協働できることを示す良い機会となる」とコートジボワールのアラサン・ワタラ大統領は述べた。「全ての出資国の支援を得ることで、世界銀行は、大きな違いを生み出すだけでなく、これを牽引することができる。」
雇用面では各国は、民間セクターの開発、なかでも広範なデジタル化と機械化による生産性の向上、ワクチンを含めたアフリカ現地での生産、金融サービスへのアクセスの向上とビジネス環境の整備に重点をおきつつ、雇用の創出に注力する。
人的資本については、将来の仕事に不可欠なスキルの獲得と活用を支える教育システムと、堅牢な医療制度、セーフティネット・各種サービスを提供する柔軟なシステムが必要だと述べた。経済回復については、国内・域内における経済の多様化と地域開発の推進による、経済の構造改革そして裾野の広い改革を支援するとの決意を示した。また、これと並行し、公的債務の持続可能性と、安全と平和維持にかかる課題に注視し、さまざまな危機から経済と国民を保護するための対策を強化することで、マクロ経済の安定性を確保する。
各国首脳は、こうした開発目標は野心的であり、これを達成するには莫大な資金が必要であるとの認識を示し、国内外双方の資金源を最大化することが重要だと強調した。アフリカでは、パンデミック対策と気候変動対策に加え経済復興の加速化で、今後5年間で新たに推定で2,850億ドルが必要になるとし、国内での財源確保の取組みの強化だけでは不十分だとの見解を示した。このことから、少なくとも1,000億ドル規模の増資を、当初の予定を繰り上げ2021年末までに実行することを求めた。
「本日我々は、参加国首脳から、新型コロナの大流行が各国に及ぼした影響の説明を受けるとともに、野心的な開発目標を達成するには、今後も確実な資金援助が必要との指摘を受けた。IDAは、これら全ての国々のための資金と回復のためのソリューションの提供で、大きな役割を果たす」と世界銀行のアクセル・ヴァン・トロッツェンバーグ専務理事は述べた。「意欲的なIDA20が、環境に配慮した包摂的な回復により2030年アジェンダの達成を目指す国々の、強力な力となるだろう。」
本協議には、アンゴラ、ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、カメルーン、コンゴ民主共和国、エチオピア、ガーナ、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、リベリア、モーリタニア、マダガスカル、モザンビーク、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、スーダン、タンザニア、トーゴ及びウガンダの各国首脳と、西アフリカ経済通貨同盟、西アフリカ諸国経済共同体、中部アフリカ経済通貨共同体、及びアフリカ連合などの地域委員会の代表、並びに世界銀行グループの幹部とIDAドナー国政府の代表が参加した。
IDAとは
国際開発協会（IDA）は、世界の最貧国における極度の貧困を撲滅する取組みに資金を提供する世界最大規模の援助機関である。IDAは世界中の途上国に対し、経済成長の加速、強靱性構築、さらには貧困層の生活改善を目指すプロジェクトやプログラムの資金を、無利子又は低金利の融資やグラント（無償資金）の形で提供している。1960年の設立以来、IDAは世界114カ国に約4,220億ドルを提供している。世界銀行グループの一員としてIDAは、世界中での活動を通じて蓄積した専門知識を駆使し、世界の最貧国における貧困削減と繁栄の加速に注力している。IDAに関する詳細はウェブサイトを参照：ida-ja.worldbank.org. #IDAworks4Africa
