アフリカの各国やパートナー機関と、公平なワクチン・アクセスを短期間に拡大
ワシントン、2021年6月21日— アフリカ財務大臣連合 と世界銀行グループは本日会合を開き、アフリカにおける第3波を防ぐため、ワクチン確保をファストトラック方式にて進めることで合意した。2022年までにアフリカの人口の60％にワクチン接種を完了するというアフリカ連合（AU）の目標達成に向けて、世界銀行とAUは、アフリカ全体で最大4億人を対象に各国がワクチンを調達・配布できるだけの資金を用意し、アフリカ・ワクチン調達・接種タスクチーム（AVATT）イニシアティブを支援するため連携すると発表した。地域レベルでのこの類まれな取組みは、アフリカ地域で新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中、COVAXを補填する形で進められる。世界銀行の資金は、AVATTが確保したワクチンの調達・配布を支援するために役立てられる。
「世界銀行は、アフリカ連合とのパートナーシップを通じて数億人分のワクチンを短期間に提供することでアフリカ各国を支援でき大変光栄に思う。」とデイビッド・マルパス世界銀行グループ総裁は述べた。「我々の協力により、各国にワクチンを迅速に届け、接種を支援することができる。各国はニーズを満たす量のワクチンをより多くの経路で緊急に確保し、迅速な接種スケジュールを策定する必要がある。」
「世界銀行と、アフリカ輸出入銀行やアフリカ疾病予防管理センター等アフリカの諸機関との今回の合同イニシアティブの結果、我々は現在、アフリカの総人口13億人の30％に当たる、少なくとも4億人にワクチンを接種することが可能だ。」と、ストライブ・マシイワ アフリカ連合新型コロナウイルス対策特使兼AVATTコーディネーターは述べた。「本イニシアティブのための目覚ましいパートナーシップ実現に向けてご尽力いただいたAUワクチン・チャンピオンであるシリル・ラマポーザ南アフリカ共和国 大統領閣下、デイビッド・マルパス世界銀行グループ総裁に心より感謝申し上げる。」
世界銀行は、各国によるワクチンの調達と配布、準備態勢の整備に向け120億ドルの支援を用意している。世界銀行は既に、36カ国においてワクチン供給を支援するプロジェクトを承認しており、6月末までに、ワクチン調達・配布の支援対象国は50カ国となる予定で、内3分の2はアフリカ諸国である。世界銀行はまた、アフリカ疾病予防管理センター （CDC）、西アフリカ保健機関 、AU委員会 等の地域機関との強力なパートナーシップの下、疾病監視、予防、対応のため国境を越えた協力を拡大している。
世界銀行の資金による新型コロナウイルス感染症ワクチン・プロジェクトで、各国はCOVAX、地域イニシアティブを通じ、また製造業者から直接のワクチン調達が可能となっている。同様に世界銀行は、アフリカ諸国が世界銀行の資金を用い、AVATTイニシアティブを通じても新型コロナウイルス感染症ワクチンを調達できるよう、AVATTと緊密に協力している。
AVATTはAU委員会、アフリカCDC、アフリカ輸出入銀行 、AU新型コロナウイルス感染症対策特使 、国連アフリカ経済委員会 （UNECA）によるイニシアティブであり、その目標は、アフリカ大陸に新型コロナウイルス感染症ワクチンへの十分なアクセスを迅速に提供することにある。すでにジョンソン＆ジョンソンとの間でアフリカ各国用にヤンセン ・ワクチン2億2,000万回分と需要次第でさらに1億8,000回分について交渉が成立している。AVATTは、アフリカ経済の完全な再開に向けて集団免疫を達成するため、アフリカ諸国の財務大臣と緊密に連携している。
「本イニシアティブにおける重要な優先課題は、調達したワクチンを確実に摂取につなげる点にある。」と、ベラ・ソングウェ 国連アフリカ経済委員会事務局長は述べた。
世界銀行による資金提供と技術協力は、各国の効果的なワクチン供給に役立てられる。具体的には、保管機能の拡大、低温物流の構築、実際の接種までワクチンを追跡するシステムの構築、保健従事者の研修、ワクチン接種への躊躇解消に向けた市民やコミュニティの取組みの支援がある。鍵となるのは、現在の緊急事態だけでなく、アフリカで将来的な感染症流行に対応できる強靭な保健システムを構築することである。
加えて、世界銀行グループで民間セクターを支援する国際金融公社（IFC）が率いるコンソーシアムが、アフリカ地域でのワクチン製造を支援しており、南アフリカ共和国、セネガル、ルワンダへの投資に向けた取組みが大きく進展している。
