Skip to Main Navigation
プレスリリース 2021年4月15日

世界銀行、IDA第20次増資交渉開始を前倒し:新型コロナウイルス感染症危機からの回復に向け最貧国を支援

危機対応拡充のために増資予定を繰り上げ
 

ワシントン、2021年4月15日—世界銀行は、新型コロナウイルス感染症危機からの回復と、環境に配慮した強靭で包摂的な開発への移行において各国を支援するため、世界の最貧国を支援する国際開発協会(IDA)の第20次増資(IDA20)交渉を前倒しして開始した。IDA20は、74カ国のための2022年7月から2025年6月を対象期間とする政策・資金パッケージに2021年12月の合意を目指している。

 「IDAは2020年、世界の最貧国が感染症危機の悪影響を抑え込み回復の基盤を構築できるよう、資金コミットメントの実行を加速した。IDAが取組みを継続できるよう出資国が前倒しの交渉開始に合意されたを嬉しく思う。」と、デイビッド・マルパス世界銀行グループ総裁は述べた。「IDAは、世界のドナーと資本市場から調達した資金を組み合わせることで、的を絞り込んだ国別プログラムと開発費用に充てるという、ほかに類をみない効果的なプラットフォームである。2021年12月までに意欲的で実りあるIDA第20次増資に合意することが、現在の状況下で最貧国が切実に必要とする譲許的資金とグラント(無償資金)を提供するために不可欠となる。」

IDA第19次増資(IDA19)の期間は2020年7月からの3年間で、IDA支援対象国への総額820億ドルの支援目標を達成するためドナーから235億ドルの拠出金があった。総額の半分近くは、IDA19期間の初年度に世界の最貧国への提供が誓約されており、各国が喫緊の開発ニーズを満たすため追加の資金を確保できるようIDA20増資交渉を前倒しで開始する必要が生じた。2021年2月、IDAのドナー国と借入国の代表は、新型コロナウイルス感染症危機への対応を迫られ、IDA20増資交渉を1年前倒しで開始することに同意した。

IDA第20次増資交渉は、「危機からのより良い回復:環境に配慮した強靭で包摂的な未来に向けて」をテーマに掲げ、IDA19の交渉の経緯と、世界銀行の使命と新型コロナウイルス感染症対策を踏まえて進められる。IDAのドナー国と借入国の代表は、IDA20の政策枠組みとしてIDA19の4つの特別テーマである気候変動、脆弱性・紛争・暴力、ジェンダー、雇用と経済変革を踏襲すると共に、5つ目の特別テーマとして人的資本を導入することに同意した。IDA20はまた、危機への予防、債務の持続可能性と透明性、ガバナンスと組織・制度、テクノロジーの4つの分野横断的な課題に集中することで回復への取組みを強化する。
 
政策コミットメントと資金枠組みに関する交渉は、6月と10月に開催予定の会合にて継続され、2021年12月13-14日にドナーが拠出をプレッジすることで妥結する。交渉プロセスは、共同議長のアクセル・ヴァン・トロッツェンバーグ世界銀行専務理事(業務統括)と、IDAのドナー国と借入国の代表により独立した共同議長として選ばれたデニー・カリャリャ博士の2人により進められる。

国際開発協会(IDA)は、世界の最貧国における極度の貧困を撲滅する取組みに資金を提供する世界最大規模の援助機関である。IDAは世界中の途上国に対し、経済成長の加速、強靱性構築、さらには貧困層の生活改善を目指すプロジェクトやプログラムの資金を、無利子又は低金利の融資やグラント(無償資金)の形で提供している。1960年の設立以来、IDAは世界114カ国に約4,220億ドルを提供している。世界銀行グループの一員としてIDAは、世界中での活動を通じて蓄積した専門知識を駆使し、世界の最貧国における貧困削減と繁栄の加速に注力している。IDAに関する詳細はウェブサイトを参照:IDA.worldbank.org #IDAworks

 


プレスリリース番号: 2021/135/DFI

お問い合せ

ワシントン
Patricia da Camara
pdacamara@worldbankgroup.org
東京
開裕香子
(+81-3) 3597-6650
yhiraki@worldbankgroup.org
Api
Api