2020年11月30日 東京-明治安田生命保険相互会社(執行役社長 根岸 秋男、以下「明治安田生命」)と世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行(IBRD)、ムーディーズ:Aaa、スタンダード&プアーズ:AAA)は、グローバルなSDGs達成に必要な課題として、 開発途上国の貧困と不平等の削減に向けたデジタル技術開発への取組みの重要性を協議した結果、今般、世界銀行が発行する「サステナブル・ディベロップメント・ボンド」に明治安田生命が投資を行なうことを決定しました。本債券の取扱証券会社にはシティグループ証券株式会社が指名され、総額7,000万豪ドル全額を明治安田生命が購入しました。本債券の受け渡しと資金決済が11月30日に完了しましたので、その概要をお知らせいたします。
本債券は、開発途上国におけるより良いガバナンスや公共サービスの提供、社会的な透明性を高めるために、情報通信技術(ICT)の改善とデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進の必要性を、発行体である世界銀行と投資家である明治安田生命が共に提起(※)したことにより実現しました。
(※)サステナブル・ディベロップメント・ボンドの発行において、デジタル開発の必要性を世界銀行と投資家が共に提起するのは今回が初めての取組みとなります。
デジタル技術は開発の最前線にあり、国の経済成長の加速や、人々をサービスや仕事に結びつける機会を提供します。一方、2019年末時点でも、世界人口の半分は未だインターネットにアクセスできず、その大多数は開発途上国の人々です。新型コロナウィルス感染症拡大後の環境では、世界中でデジタル化の取組みが加速していますが、ほとんどの開発途上国ではデジタル化のためのツールと環境が整っていません。
世界銀行は、デジタルインフラ、デジタル技術を活用した金融サービス、電子身分証など、デジタル経済の基盤を形成する主要な要素に焦点を当て、開発途上国のデジタル技術開発を支援しています。コロナ禍においては、各国のデジタル技術の管理能力を向上させ、重要な公共サービスの継続性の確保や、ヘルスケア、モバイルペイメント、食品配達、eコマースなどのサービスの需要に対応する金融テクノロジーの強化に取り組んでいます。
【サステナブル・ディベロップメント・ボンドについて】世界銀行のサステナブル・ディベロップメント・ボンドは、「極度の貧困の撲滅」と「繁栄の共有の促進」の実現に向けて、世界銀行が開発途上国で取り組むあらゆる分野の開発プロジェクト全体を支えるために発行されます。世界銀行の債券はAAA格付けの信用力に基づいて発行され、資金使途を特定の分野又はプロジェクトに限定しないため、プロジェクトのカントリーリスクやプロジェクトリスクを負うことはありません。
【発行概要】
発行体 | 世界銀行(国際復興開発銀行:IBRD) |
投資家 | 明治安田生命保険相互会社 |
起債通貨 | 豪ドル |
発行総額 | 7,000万豪ドル(約54億円) |
受渡日 | 2020年11月30日 |
償還日 | 2035年11月30日 |
発行利率<年率> | 1.29% |
取扱証券会社 | シティグループ証券株式会社 |
明治安田生命は、「ESG投融資方針」に則り、資産運用業務においては、国連責任投資原則(PRI)への署名などを通じて、ESGの観点を投融資の意思決定に組み込むことを推進しています。引き続き、ESG投融資を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する資産運用を実施していきます。
<世界銀行(IBRD)が取り組むプロジェクト事例>
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目的:電子政府(e-Government)サービスのアクセス、品質、ならびに効率の改善を支援し、セルビア政府の管理上の負担軽減と個人および事業への公共サービス提供の効率を向上させることを目的としています。目標(一部):200万の個人および事業が電子政府サービスを活用、デジタル化されオンラインで利用可能な公共サービスが30種類に増加、ユーザー満足度が平均50%増加することを目指しています。プロジェクトの詳細はこちらをご覧ください。(英語)
(世界銀行融資額:2,407万米ドル)
目的:クロアチアの一般市民、企業、政府機関が利用する行政サービスの効率化、透明性およびコストを改善すべく、土地管理および管理システムのデジタル化等の近代化を支援します。目標(一部):土地売買活性化のための法的環境を整備、土地管理サービスの継続的な自動化をサポートし、登記簿・土地台帳にかかる手続きの期間を30~46日間から10日間に短縮、不動産データの内容の改善と土地台帳および登記簿の統合を推進、オンラインによる住民登録が20%増加、政府省庁や政府系機関による共有地理データの活用が25%増加することを目指しています。プロジェクトの詳細はこちらをご覧ください。(英語)
*上記プロジェクトは、事例のご紹介のみを目的としており、今回の世界銀行債券の資金の活用を上記プロジェクトまたはその分野に限定するものではありません。
【世界銀行について】世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行、IBRD:International Bank for Reconstruction and Development)は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在189の加盟国が出資し運営しています。加盟国の公平で持続可能な経済成長を目指し、地域および世界規模の経済や 環境問題に効果的に対処していくために、IBRDは中所得国に対し、融資・保証、リスク管理サービスに加え、開発に関わる様々な分野の専門的な分析・助言サービスを提供しています。世界銀行の目標は、世界全体の極度の貧困を終結し、すべての人々が共に豊かに暮らせるよう繁栄を共有させることです。世界銀行は融資資金を調達するために、70年以上にわたり国際資本市場で債券(世界銀行債券)を発行しています。
*世界銀行債券の発行により調達した資金は、特定のプロジェクトやプログラムへの融資に直接割り当てられることはなく、世界銀行加盟国における全ての融資プロジェクトやプログラムに対し均一に活用されます。世界銀行債券の元利金の支払いは、世界銀行の信用力に基づき行なわれるため、投資家は個々の融資プロジェクトやプログラムのリスクを負うことはありません。
*本プレスリリースは、世界銀行債券の購入の勧誘もしくは販売を目的とするものではありません。世界銀行債券の販売は、販売を担当する金融機関より交付される販売説明書等に基づき行なわれます。世界銀行債券の購入の勧誘は、単独または複数の国の法律に準拠して行われており、関係する全ての法律が遵守されない場合は、購入の勧誘もしくは販売を行なうことはできません。