東京、2020年1月6日-世界銀行(国際復興開発銀行、ムーディーズ:Aaa、スタンダード&プアーズ:AAA)はこの度、国内の個人投資家向けにサステナブル・ディベロップメント・ボンド(開発途上国の持続可能な発展を支える世銀債)を発行し、とちぎんTT証券株式会社が販売を行いますのでその概要についてお知らせいたします。今回発行されるサステナブル・ディベロップメント・ボンドは期間5年のインドネシアルピア建て債券で、販売額は390億ルピア、販売期間は2020年1月6日から1月28日までとなります。
世界銀行は2030年までに「極度の貧困を撲滅」し、「繁栄の共有の促進」を持続可能な形で実現することを使命としており、この2つの目標は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」とも連携しています。
サステナブル・ディベロップメント・ボンドは、世界銀行が開発途上国のために取り組む農業・食料安全保障、教育、エネルギー、金融、貿易・産業、保健、行政・インフラ・ガバナンス、水・公衆衛生、環境等の幅広い分野の開発プロジェクトを支えるために国際資本市場で発行されます。世界銀行が取り組む開発プロジェクトには、市場へのアクセスや物流、廃棄物管理等の農業インフラの整備など、開発途上国で多く発生する食料の生産から流通までの過程(サプライチェーン)での食品ロスの問題に取り組むプロジェクトも含まれます。
食品ロスと廃棄問題:世界では8億人以上の人々が飢えに苦しんでいる一方、世界で生産されている食品の3分の1が食品ロス・廃棄によって失われており、その経済損失は年間1兆米ドル(110兆円相当額)とも言われています。また、食品廃棄等で排出される温暖化ガスは世界総排出量の8%を占め、国別排出量で比較すると世界第3位に相当する排出量になります。世界銀行は投資家と共に、この世界的な問題に対する人々の意識を高める取り組みも行っています。サステナブル・ディベロップメント・ボンドの資金は、こうした食品ロスと廃棄問題への対処を含む、様々な持続可能な開発プロジェクトへの融資を支えています。
世界銀行の開発途上国支援プロジェクト事例
< 食品ロス問題への取り組み >
フィリピン: 農村開発プロジェクト (世界銀行融資額: 6億6,459万米ドル)
都市化が進むフィリピンでは、国民の半数が農村部で暮らしています。しかしながら農村経済は、低所得、低雇用率、食料安全保障の欠如、全体として深刻な貧困問題といった様々な課題を抱えています。中でも最大の問題は未整備の交通インフラで、天候によっては全農村の半分が主要交通インフラを使うことすらできず、さらに農業の新技術の導入も遅れていることから、収穫後の貯蔵と流通段階での食品ロスも大きな問題となっています。
本プロジェクトでは、農場から市場への道路や橋の整備、作物の収穫後の保管施設や生産設備の建設、農産物の生産・物流・販売で構成される商品バリューチェーンの強化など、同国全体の農業を近代化し、農村部のインフラの強化を行います。また、小規模農家に対して、技術支援や市場との連携構築など、市場へのアクセス拡大を支援し、市場価値のある農作物の生産量と農村部の所得の増加を目指します。詳しくはこちらをご参照ください。(英語)
*上記プロジェクトは、事例のご紹介のみを目的としており、今回の世界銀行債券の資金の活用を上記プロジェクト又はその分野に限定するものではありません。
世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行)について
世界銀行(国際復興開発銀行、通称IBRD:International Bank for Reconstruction and Development)は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在189の加盟国が出資し運営しています。加盟国の公平で持続可能な経済成長を目指し、地域及び世界規模の経済や環境問題に効果的に対処していくために、IBRDは中所得国に対し、貸出・保証、リスク管理サービスに加え、開発に関わる様々な分野の専門的な分析・助言サービスを提供しています。世界銀行の目標は、世界全体の極度の貧困を終結し、すべての人々が共に豊かに暮らせるよう繁栄を共有させることです。世界銀行は貸出資金を調達するために、70年以上にわたり国際資本市場で世銀債を発行しています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
https://treasury.worldbank.org/ja/about/unit/treasury/ibrd
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* 世銀債の発行により調達した資金は、特定のプロジェクトやプログラムへの融資に直接割り当てられことはなく、世界銀行加盟国における全ての融資プロジェクトやプログラム対し均一に活用されます。世銀債の元利金の支払いは、世界銀行の信用力に基づき行われるため、投資家は個々の融資プロジェクトやプログラムのリスクを負う事はありません。