ワシントンD.C. 2019年7月24日—世界銀行グループは本日、コンゴ民主共和国(DRC)のエボラ出血熱に対する国際社会による支援規模を拡大するため、最大3億米ドルを動員すると発表した。現在起きている流行について世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言している。
「コンゴ民主共和国では、エボラ出血熱の驚異的な流行が多くの命を奪い人々の生活を壊している。これを食い止めるために、我々は直ちに連携して行動しなければならない。」と 世界銀行のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ 最高経営責任者 は述べた。「流行の最前線で闘っているコミュニティや医療関係者は、国内での状況の悪化や隣国への感染拡大を防ぐため、国際社会からのより多くの支援と資金を早急に必要としている。」
3億米ドルはグラント及び融資として提供されるが、そのほとんどが世界銀行の国際開発協会(IDA)とIDAの制度である危機対応ウィンドウから拠出される。IDAの危機対応ウィンドウは、深刻な危機に見舞われた国々を支援しこうした国々の長期的な成長軌道への回帰を支援する。この資金パッケージは、エボラ出血熱の影響が及んでいる保健地区を対象としており、DRC政府、世界保健機関(WHO)、国際連合児童基金(UNICEF)、国際連合世界食糧計画(WFP)、国際移住機関(IOM)などの現場で対応に当たっている組織が、最前線での医療対応拡大、現地経済の支援のためのキャッシュ・フォー・ワーク(労働対価による支援)の実施、影響を受けたコミュニティの回復力強化、致死率の高いウィルスの感染拡大封じ込めの一助となる。
今回の支援額は、第4次戦略対応計画(SPR4 )で必要とされる資金の約半分に相当する。SPR4は来週、DRC政府、及び対応に当たっているパートナーから成るコンソーシアムが取りまとめる。世界銀行は、2018年5月以降DRCにおけるエボラ出血熱との闘いを支援してきており、現場での対応、保健医療制度の強化、感染拡大リスクを削減するための準備などに資金を充てている。
本日発表された3億米ドルの資金支援に加え、世界銀行とパンデミック緊急ファシリティ (PEF)は2018年8月以降、DRCにおけるエボラ出血熱の流行への対策として既に1億米ドル拠出している。世界銀行のDRCエボラ出血熱対策への資金拠出の総額の現在の内訳はここから入手可能。
エボラ出血熱の感染は、極度の貧困と脆弱性という厳しい課題を抱えるコミュニティで拡大している。世界銀行のDRCへの支援は、人々に投資し、コミュニティを支えるとともに、各種サービスやシステムの強化に重点的に取り組んでいる。こうした支援はいずれも、この危機を克服し、さらにはこの流行の拡大を助長した貧困や不平等の根底的な原因に取り組む上で不可欠である。