ワシントン、2019年4月16日 — 世界銀行グループは16日、脆弱性・紛争・暴力(FCV)に関する初の戦略策定作業にあたり、グローバルなコンサルテーションを開始すると発表した。コンサルテーションは2019年4月から6月にかけて、世界6地域全てを網羅し計30カ国以上で実施される。同戦略は11月に完成の予定である。
コンサルテーションでは、FCVが呈する様々な課題に直面している国々、及びFCVの影響下で世界銀行グループのプログラムを支援する国々それぞれの見解を集めることが主眼となる。また、FCVの状況緩和と和平・繁栄の促進に当たりこれまでに得られた教訓とベスト・プラクティスを把握するという目的も担っている。各国政府、市民社会組織、国際的パートナー、民間セクター等の代表によるインプットが取りまとめられ、脆弱性の誘因の解消ならびに影響を受ける市民やコミュニティに対する世界銀行グループの支援最大化を実現するための総合的業務戦略に反映される。
世界銀行グループのFCV戦略策定は、2030年までに世界の貧困層の少なくとも半数が脆弱・紛争国で暮らすことになると試算される今日、大きな意義をもつ。そのため同戦略は、極度の貧困削減と繁栄の共有促進という世界銀行グループの2大目標の達成を支えるという意味合いも帯びている。同戦略の対象期間は2020年~2025年で、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)と共同で策定作業が進められている。
「極度の貧困撲滅という目標を達成するには、紛争や脆弱性の影響下にある国の人々を重点対象としなければならない。」と世界銀行のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ最高経営責任者(CEO)は述べる。「新戦略は、脆弱性の根本原因に対処し、平和と繁栄の基盤構築をもたらす長期的開発への投資を促すものとなる。」
コンサルテーションは2段階に分けて実施される。まず2019年4月~6月の期間に、ステークホルダーからのFCV戦略のコンセプトに関するフィードバックを対面式又はオンライン・アンケートを通じて集める。次に、2019年8月~9月に、FCV戦略案をオンライン上で共有しフィードバックを集めていく。こうしたプロセスを通じて、一般市民もEメールやソーシャル・メディアを使って質問やコメントを寄せることができる(ハッシュタグは#fragility2stability)。
「FCV戦略は、世界銀行グループの脆弱・紛争国におけるこれまでの進捗を足掛かりに今後の取組みを進め、開発機関としての比較優位性を活用し、現場における影響力を最大化するためのパートナーシップ強化を達成する機会となる。」と、今回の戦略策定プロセスを主導する世界銀行脆弱性・紛争・暴力(FCV)グループのシニア・ダイレクター、フランク・ブスケは述べる。
FCV戦略のコンセプト・ノートは、コンサルテーションの予定、実施国、スケジュール、フィードバックの概要等の関連情報と共に、専用ウェブページで公開予定: worldbank.org/fcvconsultations
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