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プレスリリース 2019年1月15日

世界銀行グループ、気候変動への適応と強靭化に5年間で500億ドルの支援を発表


新行動計画、既に数百万人が極端な異常気象の深刻な影響下にあると指摘

ワシントンDC、2019 年1月15日 – 世界銀行グループは本日、気候変動への適応策のための直接的資金支援を2021~25年度の期間に500億ドルまで増やすことを掲げた「気候変動への適応と強靭化に関する行動計画」を発表した。年間平均100億ドルというこの資金規模は、2015~18年度の実績の2倍以上に相当する。世界銀行グループはまた、適応と強靭化により多くの民間資金を動員するための新アプローチを試験的に導入する。

「今回の計画により我々は初めて、気候変動に対する強靭性強化の取組みに、低炭素型社会の構築への投資と同等の重きを置くことになりますがその理由は簡単です。気候変動が進行する中、緩和と適応の両方を並行して実施することが必要だからです。気候変動の影響を最も受けやすい最貧困・最脆弱層を中心に人々が強靭性を高めていけるよう、適応策への資金を増強します。」と、世界銀行の最高経営責任者(CEO)クリスタリナ・ゲオルギエヴァは述べた。

適応対策資金の増強は、以下をはじめとする取り組みに充てられる。

· 気象予報、早期警報システム、気候関連情報サービスの精度向上により、少なくとも30カ国における2億5,000万人の気候変動リスクへの準備態勢を強化

· 気候変動に配慮した管理計画および/又は河川流域管理のガバナンス強化に関し、100箇所の河川流域を支援

· 適切かつ迅速に気候変動に対応できる社会的保護制度の構築

· 少なくとも20カ国が行う気候変動の影響や災害への早期対応と迅速な復旧に向けた取組みへの、追加の財政強化手段を通じた支援

こうした資金増強に加え同行動計画は、各国の政策立案や投資の計画・実行のあらゆる段階において、気候変動リスクを体系的に管理するためのアプローチ導入を支援していく。

「世界銀行が発表した今回の行動計画は歓迎すべき一歩です。気候変動の影響を最も受けやすい世界の最貧国は、資金増強と長期的な政策転換への支援によって恩恵を享受できるでしょう。」と、現在、グローバル適応委員会共同委員長を務める潘基文元国連事務総長は述べた。

同行動計画は、効果的対策を早期に実行することにより、適応策を開発に結びつけ、開発成果を上げることを目指している。例えば、マングローブの移植に投資すれば、海面上昇や高潮から沿岸コミュニティを保護できると同時に、エコツーリズムや漁業にとって新たな機会が創出される。先を見越した適応と強靭化の対策を早い段階で行えば、事後に対処した場合に比べ高い費用対効果が望める。

同行動計画はこの他、適応と強靭化を世界的に推進するためのインセンティブを生み、進捗状況をより正確に追跡していくため新たな評価システムの構築を含んでいる。世界銀行は、2019~20年度に新評価システムを試験的に導入した上で、2021年度までに該当セクターにおけるプロジェクトに展開する。

「気候変動への適応と強靭化に関する行動計画」は、2018年12月にポーランドで開催された国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)の場で世界銀行グループが発表した「気候変動対策強化のための2025目標」の一部である。

「気候変動への適応と強靭化に関する行動計画」の実施対象期間:2021年6月30日~2025年7月1日。


プレスリリース番号: 2019/CCG/112

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