世界銀行(国際復興開発銀行)は、この度サステナブル・ディベロップメント・ボンド(三千万豪州ドル、償還期間15年、クーポン3.358%)をユーロ私募債形式で発行し、全額を日本の機関投資家にご投資頂きましたことをお知らせ致します。「水と海洋問題」対策に焦点を当てた世銀債への日本の機関投資家の投資は本件が初となります。
2015年以来、世界銀行はサステナブル・ディベロップメント・ボンドの発行を通じて、投資家の皆様からお預かりした資金をどのように世界の人々のために役立てているか紹介して参りました。今年前半は「女性と子供」を支援する世銀プロジェクトを紹介致しましたが、後半は「水と海洋問題」への取組について紹介していきます。本件は、持続可能な開発目標(SDGs)の第6目標(安全な水とトイレを世界中に)と第14目標(海の豊かさを守ろう)に焦点を当てており、SDGs達成に向けて投資家の皆様の更なるご支援を期待するものです。
国際社会において私たちは、海洋プラスチックによる海洋汚染、生態系の破壊等の深刻な問題に直面しています。海は人類の重要な食糧供給源であり、世界の経済活動においても重要な役割を果たしています。世界銀行は加盟国と共に海と沿岸海域の環境回復を目指すプロジェクト融資を実施しつつ、世銀債の発行を通じて、国際的な課題となっているプラスチックごみ問題をより多くの方々に知って頂くことも大変重要な事と考えています。
世界銀行の有馬良行財務局駐日代表は、以下のように述べています。
「世界銀行は、水に関連する様々なプロジェクトのために総額370億ドルの資金を開発途上国に提供しており、その規模は国際開発金融機関では最大となっています。水が主たる対象となっているプロジェクトは170件、総額は267億ドルで、水が部分的に関連するプロジェクトは総額100億ドルとなっています。こうした融資の原資となる資金を、日本の機関投資家からご提供頂きましたことを深く感謝致します。世界銀行のサステナブル・デベロップメント・ボンドは、その信用力と流動性が高く評価されており、その資金使途は開発途上国における社会貢献プロジェクトのみとなっていることからESG投資の対象としても理想的です。1971年以降、世銀債に継続的にご投資頂いてきた日本の投資家は、持続可能な資本市場のためには極めて重要な存在であり、今後のご支援にも期待しています。」
世界銀行が取り組むプジェクト事例
インドネシア: 地域・都市部における廃棄物管理改善プロジェクト
詳しくはこちらをご参照ください。(英語)
アルゼンチン:マタンサ・リアチュエロ流域の水質改善支援プロジェクト
詳しくはこちらをご参照ください。(英語)
*投資資金は、世界銀行の信用力をもって利払い・償還がされます。上記個々のプロジェクトと、今回の世銀債の資金は直結しておりませんので、投資家が個々のプロジェクトのリスクを負うことはありません。
世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行)について
世界銀行(国際復興開発銀行、通称IBRD:International Bank for Reconstruction and Development)は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在189の加盟国が出資し運営しています。加盟国の公平で持続可能な経済成長を目指し、地域及び世界規模の経済や環境問題に効果的に対処していくために、世界銀行は中所得国に対し、融資・保証、リスク管理サービスに加え、開発に関わる様々な分野の専門的な分析・助言サービスを提供しています。世界銀行の目標は、世界全体の極度の貧困を終結し、すべての人々が共に豊かに暮らせるよう繁栄の共有を実現することです。世界銀行は融資資金を調達するために、70年以上にわたり国際資本市場で世銀債を発行しています。
(*)「持続可能な開発目標(SDGs)」について