カナダ、ノルウェー、英国、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、MSD for Mothersに続き日本がGFF信託基金に拠出
東京 – 日本政府は本日、「女性、子供及び青少年の健康のための世界戦略(Every Woman Every Child)」を支援する「グローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)」に5千万ドルを拠出すると発表した。GFFは、各国の優先課題実現を支援するため、複数の資金源を相乗的に動員する各国主導型の開発金融モデルである。
日本政府によるGFF信託基金に対する初となる今回の拠出表明は、「UHCフォーラム2017」において発表された。GFF信託基金への拠出は、各国による、性と生殖に関する健康と母子保健の他、子供及び青少年の健康と栄養、UHCの進捗加速、持続可能な開発目標(SDGs)の2030年までの達成のための資金不足解消に充てられる。
「日本は、今朝、安倍総理から発表された支援プレッジの一環として、GFFの信託基金に対して3千万ドルを支援する。」と、日本の麻生太郎副総理兼財務大臣は述べた。同大臣はまた、国際開発協会(IDA)を含む世界銀行グループによる譲許的資金の動員効果の拡大を確認したうえで、更に2千万ドルを追加拠出する用意があることも発表した。
2017年11月時点で、カナダ、ノルウェー、英国、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、MSD for Mothersの支援を受け、GFFのパートナーは26にまで増えた。最近では、ゲイツ財団がGFF信託基金増資に対し2億ドルの拠出を表明していた。同信託基金は、世界銀行グループに置かれているマルチドナー信託基金として、より広範なGFFパートナーシップの取組みを支援している。
日本政府による今回の支援表明は、女性、子供、青少年の健康改善の極めて重要な時期に行われた。女性、子供、青少年の健康と福祉については過去25年間に各国でかなりの進捗が見られているものの、今もなお多くの人々が、予防可能な病気で苦しんだり命を落としている。そしてその背景にあるのは、深刻な資金不足である。
「日本政府からの拠出は、UHC達成に向けた各国の進捗を加速させるために役立てられる。」と、GFFのマリアム・クラーソン事務局長は述べた。「我々は、日本政府とのパートナーシップや連携をこれまで以上に強め、質の高い保健医療へのアクセスを拡大するとともに、必要とされる予防や治療への支払いが原因で一層貧しくなる人が生じないよう、各国と協力していく。」
2017年9月の国連総会においてGFFは、各国から寄せられた参加に対する高い関心に応え、20億ドルの調達を目標に増資に着手した。GFFは、20億ドルを調達できれば、今後5年間に合計50カ国を支援できるとしている。GFF信託資金に投じられた資金は1ドルの例外もなく、国内の政府資金、世界銀行のIDAおよび国際復興開発銀行(IBRD)、目的を同一にする国外資金、民間セクターなどいくつかの財源を確保するための触媒的役割を果たす。同アプローチにより、年間推定330億ドルの資金不足の解消が可能になる見込みだ。
今後5年間にGFFが支援する予定の50カ国は、年間330億ドルの資金不足の96%を占め、母子の死亡数は毎年520万人に上る。
世界銀行グループと国連は、2015年7月にアディスアベバで開催された第3回開発資金国際会議において、またSDGs達成のための資金調達方法についてのグローバルな議論の一環として、「女性、子供及び青少年の健康のための世界戦略(Every Woman Every Child)」を支援する「グローバル・ファイナンシング・ファシリティ(GFF)」を立ち上げた。
グローバル・ファイナンシング・ファシリティについて
グローバル・ファイナンシグ・ファシリティ(GFF)は、女性、子供及び青少年の健康のための各国主導型の取組みを支援するマルチステークホルダーによる資金調達プラットフォームである。GFFの支援の下、各国の投資は、女性、子供及び青少年の健康、栄養、福祉を一層改善できるよう、より効果的で優先される、かつ成果重視型となっている。また、女性、子供及び青少年の健康改善に向けたより持続可能な資金調達のためのキャパシティ・ビルディング、ならびに民間セクターとの協力による革新的な方法の検討を進めている。GFF信託基金は、カナダ、日本、ノルウェー、英国の各国政府、ならびにビル&メリンダ・ゲイツ財団、MSD for Mothersが支援している。
詳細は以下のリンクを参照のこと: https://www.globalfinancingfacility.org/node