(共同リリース:世界銀行、 池田泉州TT証券株式会社 )
東京 2017年3月6日
世界銀行(国際復興開発銀行、ムーディーズ:Aaa、スタンダード&プアーズ:AAA)及び池田泉州TT 証券株式会社は、国内の個人投資家向けに発行するサステナブル・ディベロップメント・ボンド(世銀債)の販 売を行いますのでその概要についてお知らせいたします。今回世界銀行が発行するサステナブル・ディベロップメン ト・ボンドは、期間4年のインドルピー建て債券で(発行額:180百万インドルピー 販売期間:2017年3月 6日から3月28日)、全額を池田泉州TT証券が販売いたします。
世界銀行は、開発途上国の貧困削減および開発支援のために取組む、農業・食糧安全保障、教育、エネ ルギー、金融、貿易・産業、法律・ガバナンス、保健・社会サービス、運輸、水・衛生、防災など多岐にわたる 開発プロジェクトの資金を支えるサステナブル・ディベロップメント・ボンドを国際資本市場で発行しており、2030 年までに、極度の貧困を撲滅し、各国の所得の下位40%の人々の繁栄を促進することを目標としています。
この目標達成に向け世界銀行は、この10年間で各国の自然災害リスク管理を積極的に支援し、開発にお ける「防災の主流化」にも取り組んでいます。長年自然災害の脅威と向き合ってきた日本は、災害リスク管理 (防災) を開発政策やその実践の主流に据えるという点で世界のリーダー的存在にあり、世界銀行と共に日本 が持つ防災分野の知識と経験を世界と共有するための協力を進めてきました。2014年、日本政府の支援の もと、開発途上国の防災への取り組みを後押しするための「日本ー世界銀行防災共同プログラム」が立ち上が りました。本プログラムは、日本の防災分野の知見、技術、経験を活かし、開発途上国で役立てることにより、 貧困層を中心に災害の影響を最も被る人々の生活の改善を支援することを目的としています。
池田泉州 TT 証券は、世界銀行が発行するサステナブル・ディベロップメント・ボンドの販売を通じて、投資を 通じた社会貢献に関心のある日本の個人投資家の皆様の資金を世界的な社会貢献に活用できる機会をご 提供できることを大変意義深いことと考えており、今後も世界銀行と共に社会的責任投資を推進して参りま す。
世界銀行が取組む開発途上国支援プロジェクトの事例
サステナブル・ディベロップメント・ボンドを通じて調達された資金が支える様々なプロジェクトのうち、2016年9月には 「女性の社会進出支援プロジェクト」をご紹介いたしました。今回は、世界銀行の「開発プロジェクトにおける防災の 主流化」の取組みを取り入れた水資源管理プロジェクトをご紹介いたします。
*2016 年 9 月発行プレスリリース:http://www.sittsec.co.jp/information/newsfile.php?md=pdf&seq=0000000274)
インド:ダムの機能回復と改良プロジェクト <日本の専門家による技術支援を提供>
プロジェクト概要
目的:インド 9 州政府機関が運営・管理する 250 か所のダムの 安全性と運用性能向上。老朽化したダムの改築・改造、ダムの安 全管理と運営体制を見直し、政府及び州の持続可能なダムの運 営・管理能力の向上、ならびにダムの安全のための組織を強化。
期待される成果:灌漑施設用の水資源、水力発電所、洪水被 害の軽減対策、飲料水と産業用水の供給等に対する信頼性を 高め、人々の生活向上と経済発展を実現。貯水池の水を利用し て生活する都市部及び農村部の約 2,500 万人もの人々への安 定的な水の供給。老朽化及び管理不十分なダムの下流に暮らす 人々の安全の確保。
世界銀行融資額:1 億 7,500 万米ドル (プロジェクト総額 3 億 5,000 万米ドル)
インドは、ダムの数で中国と米国に次ぐ世界第 3 位の国で、ここ 60 年もの間に約 4,900 カ所に大規模ダム、数千 カ所に小規模ダムを建設しています。これらのダムは農業と地方の迅速かつ持続的な成長と発展を進めるための重 要な役割を果たしてきました。しかし、多くの大規模ダムは老朽化が進み、構造上・機械設備上の欠陥、地震対 応システムの欠如、不十分な堆砂管理、ダム監視システムの欠如、ダムの運営を担当する組織能力の不足等の 問題に直面しています。世界銀行が支援し、インドの中央水委員会及び9州政府機関と合同で実施している本 プロジェクトでは、主にインド国内のダム及び付帯建造物を改築・改造し、さらに水理評価、資産管理プラン、緊急 対策、警報システム開発、住民の防災に関する意識を高める活動、洪水時の避難マップの作成などを実施してい ます。また、ダム管理者の適切な管理スキル向上やダムの管理機関への様々なサポートの提供、構造的、管理的 観点からみた安全性を管理する機関の設置など、各州のダムを管理する政府機関の組織も強化します。 世界銀行東京防災ハブ*は、日本の独立行政法人である「水資源機 構」の協力のもと、本プロジェクトの一環としてインドの代表団の日本の ダムの視察を支援しました。本視察では、インド政府及び技術者代表 団に地震国である日本のダムの危機管理手法を共有することができま した。また、水資源機構の専門家による訪印調査も実施されました。 日本とのダム施設安全点検に関する技術協力もすでに開始されており、 水資源機構が保有する技術を活用し、インドの技術者とともに作成し た地震対応マニュアルは本プロジェクトでも活用される予定です。
プロジェクトの詳細はこちらをご覧ください。(英語) http://projects.worldbank.org/P089985/dam-rehabilitation-improvement-project?lang=en&tab=overview
*世界銀行東京防災ハブは、「日本-世界銀行防災共同プログラム」 の実施のため、世界銀行東京事務所内に開設されました。本 プログラムを通して日本と世界各国の専門知識を結ぶネットワークを構築し、開発途上国の国家開発計画や投資プログラムにおいて、 「防災の主流化」(自然災害リスク管理を考慮すること)の推進を支援しています。
*上記プロジェクトは、事例のご紹介のみを目的としており、今回の世界銀行債券の資金の活用を上記プロジェクト又はその分野に限定するものではありません。
ディスクレーマー
本世銀債の発行により調達した資金は、特定のプロジェクトやプログラムへの融資に「直接」割り当てられることはありません。世銀債の元利金の支払いは、世界銀行の信用力に基づき行われるため、投資家は個々の融資プロジェクトやプログラムのリスクを負う事はありません。
世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行)について 世界銀行(国際復興開発銀行、通称IBRD:International Bank for Reconstruction and Development)は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在189の加盟国が出資し運営し ています。