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プレスリリース

国際開発協会(IDA)がトリプルAの格付を取得

2016年9月23日


2016年9月22日、ワシントン — 世界の最貧国向け支援に取り組む世界銀行グループの機関である国際開発協会(IDA)は本日、格付け会社であるムーディーズ社とスタンダード&プアーズ社により、同機関初の格付けとしてAaa/AAA(見通し:安定的)を得たと発表した。

この格付け取得によりIDAは、清潔な水やクリーンエネルギーの供給をはじめ、難民のための機会創出、自然災害や公衆衛生上の危機対応など、世界の最貧国77カ国で暮らす人々の生活向上に向けた様々な支援の原資を資本市場で調達できるようになる。

「トリプルAの格付けは、世界銀行グループの主要機関としての功績が評価されたもので、強固な資本基盤と運営を反映しており、IDAにふさわしいものだ。これによりIDAは、非常に有利に資本市場へのアクセスを行う事ができる。」と、世界銀行グループのジョアキン・レビ専務理事兼最高財務責任者(CFO)は述べた。「IDAが、堅固な財務基盤とこれまでに達成した多大な成果を足掛かりに、債券市場で新たな投資の機会を切り開いたことは、開発金融のための民間資金調達においてまさに画期的な事だ。」

ドナー国からの譲許的融資による拠出金と、資本市場での債券発行により調達する資金を併せ、IDAは援助受入国への資金支援を大幅に拡大することが可能になる。これは、2030年までに極度の貧困を撲滅するという目標の達成にも大きく貢献する。このブレンド型資金モデルによりIDAは、最貧国や最脆弱国に対して、贈与や無利子又は低利の融資を提供することができる。

「これは、最貧困層にとっても素晴らしいニュースだ。我々は、これまで以上に多くの主要プログラムを実施できるだけでなく、援助受入国による開発目標の達成を後押しすることが可能になる。」と、世界銀行カイル・ピーターズ専務理事代理兼最高執行責任者(COO)は述べた。「これによって我々は、気候変動やジェンダーの不平等、紛争、雇用、経済変革、ガバナンスといった最貧困層に最も深刻な影響を与えている困難な課題の解消に、さらに貢献することができる。」

この格付けは、現在行われているIDAの向こう3年間(2017年7月~2020年6月)を対象とした増資交渉(第18次増資:IDA18)の最中に付与されたものである。IDAの増資は、世界50カ国以上の政府からの拠出金から成るが、今年初め、強固な財務基盤と堅実な実績に基づいた資本市場からの借入についてIDAが提案し、ドナーたちがこれを支持した。

「トリプルAの格付け取得は、IDA史上、画期的であるだけでなく、最貧国における持続可能な開発資金の調達において新たなモデルを開拓したことになる。」と、世界銀行のアルンマ・オテ副総裁兼トレジャラーは述べた。「この快挙によりIDAは今後、資本市場からの資金調達を行う事ができる。最高位の格付けを取得できたのは、IDAが、加盟国による力強い支援に裏打ちされた非常に堅固な財務基盤と、優れたガバナンスの仕組みを備えていることに加え、意欲的な国際開発アジェンダの達成において重要な役割を果たしているからこそ実現したと言える。」

IDA第18次増資の実施は2017年半ばから始まるが、実施の1年目から資本市場にアクセスする態勢が整うと期待されている。

「バランスシートのレバレッジを活用した資金調達は、IDAの55年の歴史上、最も革新的な手法と言っても過言ではない。」と、世界銀行でIDAの資金動員を指揮するアクセル・ヴァン・トロッツェンバーグ開発金融担当副総裁は述べる。「この革新的な手法により、IDAは、ドナーからの拠出1ドル当たりにつき約3ドルという大きな価値を生み出すことができる。これは、持続可能な開発目標の達成に必要な資金の拡大を目指すアディスアベバ行動目標に沿った、これまでで最も具体的かつ有意義な提案と言えよう。」

調達された資金は、気候変動、ジェンダー、紛争・脆弱性・暴力、雇用・経済変革、ガバナンスの分野を中心に、幅広い開発業務の支援に充てられる。

IDAの結果重視型アプローチは大きな成果を上げている。以下は、2011~15年度にIDA支援が達成した成果の一例である。

•        基礎的保健医療サービスの利用者:4億人超

•        医療従事者から産前ケアを受けた妊婦の数:1,700万人

•        より清潔な水へのアクセスを得た人:5,000万人

•        建設、舗装、修復された道路:全長10万キロ以上

•        採用・研修を受けた教員:500万人

•        予防接種を受けた子供:2億500万人

IDAは他の優先分野でも大きな成果を上げている。例えば、2011~13年、ケニアのダダーブとエチオピアのドロ・アド難民キャンプでは、保健、栄養、衛生サービスの拡充に向けた支援を行った。このプロジェクトにより、恩恵を享受した人は150万人、ビタミンAの補給を受けた子供は29万人強、重症の急性栄養失調の治療を受けた子供は8万5,000人以上に達した。IDAはまた、シリアの難民危機に対応するレバノンとヨルダンの各政府に対し、2億ドルの譲許的融資を提供している。

気候変動の分野では、IDAによる支援の下、バングラデシュ農村部で現在、500万人近い人々が太陽光発電の恩恵を受けている他、新たに月間約5万世帯に太陽光発電による電力の供給が拡大されている。ベトナムでは、気候変動に迅速かつ適切に対応する農業により、温室効果ガス排出を30~35%削減しつつある。更にモンゴルでは、安価な携帯型家庭用太陽光発電システムにより、50万人以上の遊牧民の生活が大きく改善している。


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