Skip to Main Navigation
プレスリリース2016年9月12日

サステナブル・ディベロップメント・ボンド(世銀債)を通じた社会的責任投資への取り組みについて

(共同リリース:世界銀行、 池田泉州TT証券株式会社)

2016年9月12日 東京ー世界銀行(国際復興開発銀行、ムーディーズ:Aaa、スタンダード&プアーズ:AAA)および池田泉州TT証券 は、9月1日から27日まで、国内の個人投資家を対象とするサステナブル・ディベロップメント・ボンド(世銀債)の 販売を行っています。今回発行される世銀債は、期間5年のインドルピー建て債券(発行額:206百万インドルピ ー)、全額の販売を池田泉州TT証券が引受けます。

サステナブル・ディベロップメント・ボンドは、世界銀行が開発途上国の貧困削減および開発支援のために取組む、 教育・保健・インフラ・行政・農業・環境等の幅広い分野のプロジェクトを支えるために国際資本市場で発行されま す。投資家の皆様がサステナブル・ディベロップメント・ボンドにご投資頂いた資金は、世界銀行加盟国である開発 途上国の持続的発展を目的とする様々な開発プロジェクトへの融資案件に活用されます。

サステナブル・ディベロップメント・ボンドの社会貢献性に賛同し、―開発途上国の持続可能な発展を支える世銀債 ―という新たなコンセプトにもとづいて発行される世銀債を個人投資家の皆様に販売するのは、近畿地方の地方銀 行系証券会社としては池田泉州TT証券が初となります。

本取引は、世界銀行を通じて、日本の個人投資家の皆様の資金を世界的な社会貢献のために有効活用すると の観点から、大変意義深い取引と考えられます。 また、この度プロジェクト事例として採り上げられたジェンダープロジェクトは国際的にも高い評価を得ており、こうしたプ ロジェクトを推進する世界銀行の活動を日本の個人投資家が支えていることは、社会での女性の一段の活躍が期 待される日本にとって意義深い事です。 池田泉州TT証券の設立3周年にあたり、こうした金融取引ができたことを大変喜ばしい事と考えており、今後ともこ うした取引に積極的に取り組んで参りたいと考えます。

<近畿地方と世界銀行の歴史> 終戦直後の 1953 年 10 月、世界銀行は日本への最初の支援として、多奈川発電所の建設プロジェクトへの融 資を実行し、その後も、日本初の高速道路となった名神高速、東海道新幹線、阪神高速道路といった当地にゆか りのある様々なプロジェクトに次々に融資を実行し、近畿地方の戦後復興を支援しました。近畿地方での最後の 案件となった 1965 年 9 月 10 日の阪神高速道路への融資実行後、半世紀以上を経て、今度は逆に近畿地方 の投資家の皆様の資金が開発途上国の支援に有効活用されることは、「日本発」の「国際金融の意義」を改めて 国際社会に示すものと期待しています。

<世界銀行が取組む開発途上国支援プロジェクトの例>
サステナブル・ディベロップメント・ボンドを通じて調達された資金が支えるプロジェクトの事例をご紹介致します。

アルゼンチン – 幹線道路の建設による先住民族の女性の社会進出支援
事業内容:アルゼンチン北部各州の道路の整備により、移動コストの 削減と経済活動の活性化を実現。国道三号線の建設に伴い、これ まで経済的・社会的不利な立場にあったアルゼンチン北部で暮らす先 住民族(コム民族)の女性の社会進出と文化遺産の保護を支援。

期待される成果:手工芸品の開発や製作をしながらコム民族の伝統 文化継承の促進及び文化遺産を保護。コム民族の女性組織を拡 充し、手工芸品の販売による収入を生み出しながら、コム族コミュニテ ィー内での女性の役割を強化。 

世界銀行貸出額:4 億米ドル(アルゼンチン北部インフラプロジェク ト)(円貨相当額約 400 億円) 

アルゼンチン北部は、住民750万人の73%が貧困層という、国内で最も未開発で貧しい地域の一つです。”コムカ ルチャールートイニシアチブ(QCR)”は、プロジェクトの一環として国道3号が建設されたチャコ地方に暮らすコム先 住民族の女性の貧困削減と生活の向上を目指す取り組みです。

ヨルダン – 地方都市の健康保険サービスの拡充プロジェクト 
事業内容:ヨルダン国内の中小企業への資金供与がより円滑に行 わるよう政府と中央銀行を支援。持続可能かつ包括的な経済成長 が実現されるよう、特に女性の金融市場への公平なアクセスを可能 にする。

期待される成果:中小企業をはじめとする民間企業全般の雇用 創造と拡大。ヨルダンの経済成長を促し、貧困の一層の削減を実 現。 

世界銀行貸出額:7,000 万米ドル (円貨相当額約 70 億円)

アラブ地域の暴動や世界金融危機、世界的な景気後退により、ヨルダン経済も大きく後退しました。女性就労率 は地域的にも世界的にも最低水準の 15%、若い女性の失業率は 36%(若い男性の失業率は 19%)で、雇 用の創出と経済発展が緊急の課題となっています。本プロジェクトでは、中小企業融資のための資金を世界銀行が ヨルダン中央銀行を通じて民間銀行に供与し、中小企業融資のための様々な助言業務も世界銀行グループが一 体となって行っています。

ガボン – ジェンダーの平等(女性の社会進出促進) 
事業内容: 事業への投資環境を改善し、中小企業の成長を促 進。ビジネス環境のリフォームと中小企業の経営の促進。女性に対 する職業訓練や就業機会を提供し、女性の雇用機会を増加。

期待される成果: 2019 年までに、新たな技術を身につけた 2 万 5,500 人(うち半数は女性)の新たな雇用を創出

世界銀行貸出額: 1,800 万米ドル (円貨相当額:18 億円)

ガボンの経済規模は過去10年間に急激に拡大しましたが、失業率は全体で16パーセントと高止まりし、女性の失 業率は27%と極めて高い水準となっています。本プロジェクトは、国内事業への投資の促進と新たな産業を育成す るガボン政府の取組みを支援しています。

*上記プロジェクトは、事例のご紹介のみを目的としており、今回の世界銀行債券の資金の活用を上記プロジェクト又はその分野に限定するものではありません。

ディスクレーマー
本世銀債の発行により調達した資金は、特定のプロジェクトやプログラムへの融資に「直接」割り当てられることはありません。世銀債の元利金の支払いは、世界銀行の信用力に基づき行われるため、投資家は個々の融資プロジェクトやプログラムのリスクを負う事はありません。

世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行)について
世界銀行(国際復興開発銀行、通称IBRD:International Bank for Reconstruction and Development)は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在189の加盟国が出資し運営し ています。加盟国の公平で持続可能な経済成長を目指し、地域及び世界規模の経済や環境問題に効果的に 対処していくために、IBRDは中所得国に対し、貸出・保証、リスク管理サービスに加え、開発に関わる様々な分野 の専門的な分析・助言サービスを提供しています。世界銀行の目標は、世界全体の極度の貧困を終結し、すべて の人々が共に豊かに暮らせるよう繁栄の共有を実現することです。世界銀行は融資資金を調達するために、60年 以上にわたり国際資本市場で世銀債を発行しています。財務局ウェブサイト https://treasury.worldbank.org/ja/about/unit/treasury

 

ブログ

    loader image

最新情報

    loader image