緊密な協力を通じて経済開発を支援
ワシントン、2016年4月13日―世界銀行グループのジム・ヨン・キム総裁とアジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は本日、協調融資枠組みについて初の合意書を交わした。
合意書は、世界銀行とAIIBによるプロジェクトに対する協調融資の基準を定めたもので、両機関が年内に共同で準備するプロジェクトの基礎となる。AIIBは2016年、約12億ドルの融資を承認する予定だが、その内、世界銀行との共同プロジェクトが大きな割合を占める見込みだ。
「本日、両機関の協力関係を次のレベルへと高めることができ、大変嬉しく思っている。今回の合意により、開発プロジェクトに対する両機関の協調融資が可能となる。これは世界銀行にとって、新たなパートナーと協力して膨大なインフラ需要に応える重要な第一歩だ。国際開発金融機関が互いにより緊密に協力して資金と専門知識を活用することで、最も恩恵を享受するのは世界の最貧困層だ。」とキム総裁は述べた。
世界には、電力アクセスを持たない人が約12億人、基本的な衛生サービスにアクセスを持たない人が24億人いる。2015年度(2015年6月30日までの1年間)、世界銀行グループがインフラ整備に投じた資金は188億ドルに上る。今後、グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ(GIF)などの新パートナーシップ、ならびに国際金融公社(IFC)および多数国間投資保証機関(MIGA)による支援拡大を通じて、さらなる民間資金の動員を図っていく。
「本日、協調融資について、世界銀行グループのキム総裁と合意書を交わすことができたことは大変喜ばしい。AIIBの設立過程では、世界銀行グループから時宜を得た支援を賜った事をとても感謝している。今後は、協調融資プロジェクトにとどまらず、様々な分野において、長きにわたる実りある関係を築いて行きたい。」とAIIBの金総裁は述べた。
世界銀行とAIIBは現在、中央アジア、南アジア、東アジアにおける運輸、水、エネルギーなどの分野で、10件ほどのプロジェクトについて審議している。世界銀行は今回の合意に基づき、調達、環境・社会セーフガードなどについて自らの政策や手順に沿って、協調支援プロジェクトを準備・監督していく。
AIIBは北京に本部を置き、他の国際開発機関・二国間開発機関との協力の下、開発課題に取り組む上での域内協力の強化を目指すが、持続可能な経済開発およびアジアのインフラ向上における前進が期待される。