2015年6月23日、カトマンズ—世界銀行グループは本日、4月と5月の地震で9,000人近くが犠牲となったネパールに対し、復興資金として最大5億ドルを支援する用意があると発表した。一連の地震では、山岳地帯で多くの地域が壊滅的な被害を受けた。
支援パッケージの内訳は、貧しい農村部の住宅再建に2億ドル、経済状態に影響を受けた財政と銀行システムの強化に対する1億ドルで、世界銀行理事会による承認手続が進められている。さらに1億~2億ドルが、ネパールで実施中の世界銀行プロジェクトから復興支援に充てられる。これらのプロジェクトは、追加資金で補填される。
「世界銀行グループは、困難な状況にあるネパールの人々に支援を惜しまない。我々は、ネパールがより良い復興に向け必要な資金を確保できるよう、同国政府や各国のパートナーと協力している。今回の地震で被害を受けた人々、特に貧しい人々が住宅を再建し、生計手段を取り戻せるよう、出来る限りの支援を行う。」と、世界銀行グループのジム・ヨン・キム総裁は述べた。
先週発表された「災害後ニーズアセスメント(PDNA)」は、ネパールの復旧・復興ニーズを、同国の経済規模の約3分の1に相当する67億ドルとしている。暫定的な見積もりによれば、今回の地震による直接的な影響として、人口の3%が新たに貧困状態に陥り、その結果、貧困層が100万人も増える。
6月25日(木)にカトマンズで開かれるドナー会合において、PDNAが検討された上で、対ネパール支援の規模が決定される。世界銀行はまた、資金援助に加え、ネパールのパートナー国や機関の間で復興資金を調整するため、マルチドナー信託基金(MDTF)の設置を計画している。
「我々の資金援助は、ネパールの人々にとって極めて重要な分野が対象だ。今回の地震では住宅が甚大な被害を受けているが、人々ができるだけ早く一時避難施設を出て、ネパールの気象条件に耐え得る恒久住宅に移る必要がある。我々の財政支援により、ネパール政府がより短期間に立ち直るよう期待している。」と、世界銀行グループのアネット・ディクソン南アジア地域担当副総裁は述べた。
世銀グループで民間セクター支援を手がける国際金融公社(IFC)は、中小企業の取引拡大を支援するため、ネパールの商業銀行に流動性枠として5000‐7000万ドルを提供する。IFCはまた、復興の際の新規住宅供給において最大規模の需要が予想される亜鉛メッキ波型鋼板(CGI)の増産に向けて、同業界の大手企業との契約締結を急いでいる。
世界銀行グループについて
世界銀行グループは、極度の貧困の撲滅と繁栄の共有の促進に向けた世界規模の取り組みにおいて中心的役割を果たしている。国際復興開発銀行(IBRD)、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)、多数国間投資保証機関(MIGA)、投資紛争解決国際センター(ICSID)の5つの機関で構成されている。100カ国以上において、各国が特に喫緊の開発課題に対応できるよう、財政支援や助言をはじめとするソリューションを提供している。
ネパールにおける世界銀行とIFCの取り組みについての詳細は、以下のウェブサイトでご覧いただけます。
https://www.worldbank.org/np
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