ワシントン、2014年4月29日 – 国際比較プログラム(ICP)は本日、2011年の国内総生産(GDP)が世界全体で90兆ドルを超え、その内半分近くが低・中所得国であったとする新データを発表した。
国連統計委員会の勧告に基づき実施された2011年ラウンド(2009~2012年) 調査は、過去最多の199か国を対象に、各国通貨の購買力平価(PPP)を算定した。2011年ラウンドは、PPP算出の手法改善により、これまで以上に精度の高い算定となっている。 今回のICP調査は主に、2011年PPPとPPP換算のGDP推計値、GDP指数を、それぞれ国民一人当たり及び総数で算出している。GDPなどの各国の経済指標を共通の通貨に換算する際には、為替レートよりもPPPの方が、その金額で買える財やサービスをより直接的に表すことができる。 ICP調査は、世界銀行内に設けられているICPグローバルオフィスにより実施されている。同オフィスは、各地域の機関とパートナーを組み、8つの地域(アフリカ、アジア太平洋、独立国家共同体(CIS)、中南米、カリブ海、西アジア、太平洋島嶼国、EU統計局(ユーロスタット)と経済協力開発機構(OECD)が主導するPPPプログラムに含まれる諸経済)における調整を行った。また、上記いずれの地域別カテゴリーにも含まれないグルジアとイランの2か国については、パートナー国との二国間比較のみが行われた。 主な調査結果:
経済規模の大きい国
物価の高い国
国民一人当たりで比較する最富裕国と最貧国
個人消費が高い国
投資支出
データ使用に当たっての留意点 PPPは、統計上の推計値である。どんな統計でもそうだが、標本誤差、測定誤差、分類誤差を避けることは困難であり、これらのデータは正確な値に対する概算値として扱われるべきであろう。また、データ収集とPPP算定のプロセスの複雑さゆえに、誤差の推定は難しい。そのため、各国間の推計値の細かな差異は重要な意味をもたない。 PPP換算値は、通貨の過小または過大評価の物差しではない。PPPは、為替レートが「どのレベルにあるべきか」を示すものではない。また、換算通貨に対する需要や投機、外貨準備高に対する需要を反映するものでもない。 ICPは、基準となる年における各国の経済活動を比較し、その結果を共通の通貨に置き換えて表している。したがって、今回のPPP換算の支出を2005ICPラウンドでの推計値と直接比較することはできない。両者はそれぞれ異なる価格レベルを基にしているからだ。また、ある年に比較対象となった国が、別の年には参加しない場合もある。さらに、今回いくつかの国が前回の比較時とは別の地域カテゴリーに移動している。しかし最も重要なのは、2011ICPラウンドは、手法上いくつかの大きな改善点があったことである。 ICPは、個々の国のPPP換算のGDPを時系列で比較することに用いてはならない。これまでの調査で、推計値と新ベンチマークの間には、たとえわずか数年でも大きな相違が発生することが分かっている。前回のICPラウンドからは6年が経過しており、過去の調査に基づき推計された2011年に関するPPP換算支出とICP2011の新しいベンチマークPPP換算支出の間には、多くの国で極めて大きな違いが生じている。
|