グローバルな保健目標の前進に向けて協力
ワシントン、2013年12月11日-世界銀行と世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)は本日、成果連動型融資(RBF)を通じた女性と子供たちの基本的な保健医療サービスへのアクセス拡大、ならびにミレニアム開発目標(MDGs)の目標4:幼児死亡率の削減、及び目標5:妊産婦の健康の改善に向けた進歩を促すため、特定の国を支援する新たなパートナーシップを発表した。
具体的には、世銀グループの国際開発協会(IDA)、及び世銀が管理する保健成果イノベーション信託基金(HRITF)が資金援助するRBFプロジェクトに、HIV/エイズ・結核・マラリア対策を含める機会とする。特に、サービスの統合、地理的に対象範囲を拡大しより多くの人にこれまで以上の効果をもたらすべく既存のRBFプログラムを拡大すること、さらに基本的な保健医療品が最も必要とする人々に行き渡るよう協力してサプライチェーンの効率化を図ることが重点課題となる。
本パートナーシップは、2013年9月に世界銀行グループのジム・ヨン・キム総裁が発表した、ミレニアム開発目標の目標4及び目標5の達成に向けたIDAのRBF追加支援7億ドル、ならびにこのほど決定した世界基金の増資に続くものである。
キム総裁は、「成果連動型融資が、途上国の最も貧しい女性と子供の命を救い、質の高い基本的保健医療サービスへのアクセスを拡大する上で、目覚しい効果があることは実証されている。世銀は、各国がこうしたプログラムを拡大できるよう支援するため、世界基金とパートナーシップを組むことを嬉しく思う」と述べた。
HRITFは2007年以降、31か国において36件のRBFプログラムを支援し、ノルウェーと英国政府から4億400万ドルの支援提供を受けており、IDAも16億ドルを協調融資している。HRITF基金の約75%は、世界の妊産婦死亡者の半数以上を占めるサブサハラ・アフリカ地域のプログラムに充てられている。IDAとHRITFが世界各地で実施するプログラムのデータによると、RBFのアプローチは、妊産婦と子供に対する主要な保健医療サービスの対象範囲を広げると共に質を高め、さらに各国の保健医療システムの効率と説明責任も向上させている。
世界基金のマーク・ダイブル事務局長は、「世界基金は、エイズ・結核・マラリア対策を推進するために、各国及び世銀をはじめとするパートナーと協力している。成果連動型融資は、投資効率の最大化を測る世界基金のアプローチにとって不可欠である」と述べた。
世界基金は、より多くの人々がエイズ・結核・マラリアの予防、治療、感染者支援を受けられるよう、より大きな影響力を持つ効果的な資金を調達するための仕組みである。
今回の新たなパートナーシップの下、成功したRBFプログラムを拡大し、プログラムの地理的対象範囲を拡大し、妊産婦及び子供のための保健医療サービスのパッケージを充実させる機会を見極めていく。
世界基金
世界基金は、エイズ・結核・マラリア対策を支える資金を提供する国際金融機関で、パートナーシップ、透明性、継続学習、成果連動型融資という21世紀型のアプローチを用いている。
世界基金が支援するプログラムは、世界140か国以上にわたり、2013年12月時点で、610万人にエイズの抗レトロウィルス(ARV)治療を提供し、1120万人に結核検査を行った上で治療を提供し、マラリア感染予防のため殺虫剤処理済みの蚊帳3億6000万帳を家庭に配布している。
世銀グループと保健・栄養・人口
世銀グループは、世界中の途上国に資金と技術協力を提供する主要な機関であり、極度の貧困の撲滅と繁栄の共有の促進という目標を掲げている。保健分野の改善は、これらの目標の達成に不可欠である。世銀グループは、資金援助、最先端の分析、及び政策アドバイスを提供し、各国が、質が高く、かつ負担可能な価格での保健医療アクセスを拡大し、人々が病気によって貧困に陥る又は貧困が悪化することを防ぎ、健全な社会基盤形成に向けあらゆるセクターへの投資を促進できるよう、支援している。世銀グループは世界基金の受託者及び理事会メンバーを務めている。