ポートビラ(バヌアツ)2013年11月21日– 11月21日午後3時、バヌアツ国立警報センターがポートビラに正式に開設され、太平洋島嶼国各国が、火山、サイクロン、津波などの自然災害による脅威を把握するのに役立てられる。開設にあたり、バヌアツのモアナ・カルカセス・カロシル首相と、世界銀行のフランツ・ドリース=グロス東ティモール・パプアニューギニア・太平洋島嶼国局長、独立行政法人国際協力機構(JICA)バヌアツ支所の守屋勉支所長が出席し、公式の式典が行われる。
最先端の機器を備えた同センターは、バヌアツによる自然災害との闘いにおいて重要な役割を担い、域内での早期警報情報共有に道を開く。国立警報センターは 1日24時間、週7日間稼動し、気象学と地盤災害学の専門家を置いて火山、地震活動、極端な気象現象、津波に関する情報をモニターし分析する。
「政府は、人命を救助し、バヌアツが自然災害により直面するリスクを低減する決意です」とバヌアツのモアナ・カルカセス・カロシル首相は述べた。「この警報センターは、手に入るすべての科学的データを昼夜休みなく分析し、災害発生にできる限りの備えをするために役立つでしょう」
「災害が発生しても備えがあれば人命を救うことができます」と世界銀行のフランツ・ドリース=グロス太平洋島嶼国局長は述べた。「世界銀行は、バヌアツのパートナーとして、この早期警報センター開設によりこの国の対応システム強化に関わったことを誇りに思います。これは、災害に強い社会を築き、自然災害による人や経済への影響を軽減するための重要なステップです」
太平洋島嶼国であるバヌアツは、サイクロンや地震などの自然災害に対し世界で6番目に脆弱な国で、自然災害の影響により毎年GDPの平均7%が失われている。
国立警報センターは、バヌアツの災害リスク管理行動計画の下で開発されたもので、脅威の可能性をより迅速かつより正確に把握する。収集されたデータは、地域全体や隣国とも共有することが可能だ。同センターは、世銀プロジェクト「バヌアツ災害リスク低減の主流化(MDRR)」の一環として設置された。同プロジェクトには、日本政府が日本開発政策・人材育成基金(PHRD)を通じ270万ドルを提供した。
「日本は、2011年3月、東日本大震災という大災害を経験している。日本はこのときの経験を踏まえ、自然災害の際に効果的な避難を可能にする警報システムを完備しておくことの重要性を認識した」と、JICAの守屋勉バヌアツ支所長は述べた。「日本政府は、自然災害の危険性が高い国々への支援に今後も取り組むと共に、バヌアツにおいて『災害リスク軽減』と『災害リスク管理』の2件のプロジェクトを開始する。」
MDRRプロジェクトの下で、警報センターの入る建物が改装され、ソフトウェアやIT機器が調達された。また、ポートビラとルーガンビルに設置予定の津波警報システムの開発も進められている。