日本からのつなぎ融資で世銀とアジ銀に対する延滞債務が解消
ワシントン、2013年1月27日 – ミャンマーと世界銀行グループは本日、世界銀行とアジア開発銀行(ADB)に対する同国の延滞債務が解消され、同国の改革を加速させるパートナーシップは新たな段階に入ったと発表した。世銀グループは、資金協力と技術協力の両方により、全てのミャンマー国民に裨益する開発プログラムの支援に本格的に取組むことになる。世銀グループは現在、優先分野を見極めるため、同国政府と協議を進めている。
「ミャンマーはこれまで、国民の生活改善、特に貧困層と脆弱層向けに、かつてない規模の改革を進め、経済構造を大きく変革してきた」と、アネット・ディクソン 世界銀行ミャンマー担当局長は述べている。「これから多くの仕事をしなければならない。我々はミャンマー政府が貧困削減を加速し、全ての国民が繁栄を享受できるよう支援していく所存だ。世銀の支援は、ADBや日本をはじめとするパートナーの支援とあいまって、ミャンマーの投資環境の整備、成長促進、雇用創出に貢献するだろう」
2013年1月22日、世界銀行理事会は、ミャンマーに対する4億4000万ドルの協力再開・改革支援融資を承認した。同融資は、マクロ経済の安定化、公共財政管理の強化、投資環境改善に向けて同国政府が進めている重要な改革を支援する。また、延滞債務解消のため国際協力銀行(JBIC)が実施したつなぎ融資の返済を含め、同国の外貨資金としても役立てられる。
ミャンマーは大規模な天然ガスの埋蔵量など天然資源が豊富で、農業生産、特にコメ生産の潜在力も高い。さらに、数十年に及んだ国際社会からの孤立を経て、今や広く国際社会との貿易や投資が増加を始めている。ミャンマーのGDP成長率は、2011-12会計年度に5.5%へと高まり、2012-13年度には6.3%に達する見込みである。
世界銀行は昨年、ヤンゴンに事務所を開設し、担当マネージャを配置した。また、ミャンマーが幅広い開発プログラムを策定する際に、分析・診断・助言の作業を担当・支援する専門家を派遣している。世銀はまた、コミュニティ主導型の開発プロジェクトに8000万ドルの贈与を提供した。これにより、今後6年間に全国約640の農村において学校、診療所、道路、灌漑施設など地域開発のインフラを強化できる。