ワシントン DC, 2012年10月23日 – 世界銀行(国際復興開発銀行、格付Aaa/AAA)は、新たに三銘柄のグリーンボンドを発行しました。これにより、グリーンボンドは52銘柄が発行され、発行通貨数は17通貨、発行総額が35億米ドル相当となりました。今回発行されたグリーンボンドは単独主幹事である大和証券を通じて日本の個人投資家ならびに機関投資家に販売されました。
大和証券グループ本社 執行役社長兼CEOの日比野 隆司氏は次のように述べています。「一般的な債券投資と同様に投資家の皆様にとって重要なことは安定的な金利収入が得られることです。しかしもう一つ重要なことは、この投資資金が地球温暖化問題や貧困問題の解決に活用されることです。世界銀行のグリーンボンドの魅力は、投資家の皆様の資金がどのようなプロジェクトに活用され、どのように人々のために役立っているのかが簡単に分かる点です。大和証券はかねてよりグリーンボンドの販売に注力してきており、これまでに16銘柄もの世界銀行グリーンボンドの主幹事に指名されています。」
グリーンボンドで投資家の皆様から世界銀行がお借りした資金は、現在20カ国に於いて各種プロジェクトへ貸出されています。世界銀行のグリーンボンドにより、高い信用力を持つ世銀債への投資を通じて、世界中の投資家の皆様に地球温暖化問題への対処にご協力頂くことが可能となりました。
世界銀行 財務担当副総裁のマデリン アントンシックは次のように述べています。 「世界銀行は、社会貢献型投資(インパクトインベストメント)に重点を置いている大和証券などの金融機関と連携し、地球温暖化などの世界規模の問題の解決に向けて継続的に取り組んでいます。この目的を達成すべく、日本の投資家の皆様から多大なご支援を頂いていることに、大変感謝しております。」
2008年に初めて世界銀行がグリーンボンドを発行して以来、欧米や日本の投資家のグリーンボンドに対する関心が高まっています。通常の世銀債の資金で支援されるプロジェクトと同様に、グリーンボンド対象プロジェクトも加盟国の貧困を撲滅し人々の生活水準を改善することを目的としています。グリーンボンドは、再生可能エネルギーやエネルギーの効率化プロジェクト等への資金供与により地球温暖化の要因を取り除くプロジェクト、あるいは温暖化により既に発生している問題に対処するプロジェクトに対し、世界銀行が貸出を行うための資金をお借りするための世銀債です。例えばコロンビア、メキシコ、インドでは、旧式の公共交通システムを改善し、環境に優しい安全な高速バスの交通システムを導入しました。エネルギーの分野では中国、ウクライナ、トルコに於いて、建物や工業プロセスへの暖房装置導入など、エネルギーの効率化プロジェクトを実施しました。また、チュニジアやドミニカ共和国では温暖化による影響を抑えるために、乏しい水資源の効率的活用や頻繁に起こるハリケーンや熱帯性暴風雨の災害対策プロジェクトが実施されています。
世界銀行グリーンボンド発行概要 | |||
発行体 | 世界銀行(国際復興開発銀行:IBRD) | ||
格付け | Aaa/AAA | ||
発行額 | 1,000万米ドル | 9,450万豪州ドル | 4,220万米ドル |
発行日 | 2012年10月12日 | 2012年10月23日 | 2012年10月23日 |
償還日 | 2017年10月12日 | 2017年10月24日 | 2022年10月24日 |
発行価格 | 100% | 99.98% | 74.45% |
金利 | 0.51%年2回 | 2.91%年2回 | 0.50%年2回 |
発行単位 | 100万米ドル | 1000豪ドル | 1000豪ドル |
決済機関 | ユーロクリア・クリアストリーム | ||
主幹事 | 大和証券株式会社 |
世界銀行について
世界銀行(通称 IBRD:International Bank for Reconstruction and Development) は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在188の加盟国が出資し運営しています。IBRDは加盟国への貸出・保証に加え、リスク管理サービスおよび分析・助言サービスも提供し、加盟国の公平で持続可能な経済成長と環境保全を両立しつつ、世界の貧困を削減することを目指しています。最終的な目標は、貧困を撲滅し世界中の人々の生活水準を改善することです。貸出資金を調達する(借入れる)ために、世界銀行は60年以上にわたり国際資本市場で債券を発行しています。詳しくは世界銀行財務局のウェブサイトをご覧ください。