ワシントン、2012年9月5日 ― ジム・ヨン・キム世界銀行グループ総裁は本日、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミストにカウシィク・バス氏を新たに任命したことを発表した。
バス氏はインド国籍を有し、直近までインド財務省の首席経済顧問を務めていた。それ以前は米国コーネル大学において経済学教授および国際学教授を兼任。さらに同大学の経済学部長を務めた。また、コーネル大学分析的経済学センターの所長として、比較経済発展プログラムを率いた。
ジム・ヨン・キム世界銀行グループ総裁は、「学界における素晴らしい業績に加えて、財務省における経験も有するバス氏は、世界銀行が事例に基づく解決を提供し、クライアントに助言を行い、開発調査において優れた革新性を提供する上で大きなリーダーシップを発揮する最適な人材である。同氏は開発途上国の現場体験を世銀にもたらし、それは世界銀行の素晴らしい資産となるだろう」と、述べている。
バス氏は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士号を取得し、1992年にデリー大学経済学部に開発経済学センターを設立した。またマドラス経済大学の創設に加わり、ハーバード大学、プリンストン高等研究所、プリンストン大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスおよびマサチューセッツ工科大学において客員教授を務めた。
同氏は幅広く論文を発表しており、研究対象は開発経済学から福祉経済学、産業組織論、公共経済学に及ぶ。著作には「Analytical Development Economics」(1997年、MIT 出版局)、「Prelude to Political Economy: a Study of the Social and Political Foundations of Economics」(2000年、オックスフォード大学出版局)、「Of People, Of Places: Sketches from an Economist's Notebook」(1994年、オックスフォード大学出版局)、「Beyond the Invisible Hand: Groundwork for a New Economics」(2011年、プリンストン大学出版局・ペンギン出版)などがある。
計量経済学会会員。インド・マハラノビス賞を受賞。2008年5月には「極めて顕著な功績」が認められ、インド大統領より民間人にとって最高の栄誉の一つであるパドマ・ブーシャン勲章を授与された。10月1日付けで着任。